「歌舞伎役者十三代目片岡仁左衛門」&十五代目ライブトーク@Tollywood下北沢
26日と27日下北沢のTollywoodという短編映画館へ通いました。以前新聞で読んだことがあった羽田澄子監督のドキュメンタリーで、10時間41分の6作品を半分ずつ2日間で上映されました。感動しました。5時間なんて全然長くないです。
十三代目片岡仁左衛門って、頭の髪の先から足の爪先までひたすら役者だった人なのですね。それが彼の舞台、若い役者への教授、芸談を語る姿から見えました。
昨日見た作品の中では、「恋飛脚大和往来」の『新口村』の孫右衛門の父親愛が素晴らしかったですが、今日の出色は「伊賀道中双六」の『沼津』の平作、どちらも子ゆえの闇に迷う父親の愛を示して泣かせました。
関西歌舞伎というけれど、コテコテの浪花ではありません。品の良い凛とした人情ものが爽快な演技です。
なんといっても6本、10時間以上の作品なので、語りたいことは山のようですが、一つずつメモっていっても意味がない。この映画はお勧めだということで区切りとします。
今日は映画のあと、十五代目(つまり、十三代目の三男で以前の片岡孝夫)片岡仁左衛門と羽田監督のトークライブがあり、券は売り切れていたのだけど、入れなくても覚悟の思いでキャンセル待ちをしました。Tollywoodは若い職員が数人でやっていて、とてもゆったり融通無碍で、そこはかとなく人間的な映画館です。この9年で初めてという、ホール(定数40数名)のドアを開放しての立ち見を入れてくれて、私も見ることが出来ました。感謝。
昨日歌舞伎座の楽日だったという当代仁左衛門は、語りは苦手と言いながらも、努めて家族の思い出や父親への思いなどを語ってくれました。最後を十三代目の本の中で、この映画について書かれた感想を朗読することで締めくくってくれて、仲々の演出家と見えました。
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コメント
はじめまして。
トークショーご覧になれたのですね。
うらやましいです。
私も当日会社を休んで並ぼうか?と、迷ったのですが無理でした…でも諦めきれず、8時からの上映を拝見したのです。
トークは聞けませんでしたが、素顔の仁左衛門さんにも会えましたし、映画にも感動しました。
これからも時々訪問させていただきますね。
投稿: ryoko | 2008年3月29日 (土) 19時23分
>ryokoさん
ようこそ!お仕事でトークライブをお聴きになれなかったのは残念でしたね。でも、十五代目がすぐに帰られなくて、サインをしたりで残ってらしたのでお会いになれてよかったですね。
十五代目は、あの映画が7時間を越えた1992年に国の助成金を貰う代わりに一般公開しなければいけなくなった時、本気で反対したそうです。それはビデオレターでも語ってらっしゃいましたよね。見る人なんていないと思っていたので、父親に傷がつくのを恐れていたようです。それが、どんどん前売り券が売れて、ついに岩波ホールが満席になったと知った時、驚くと共に自分の中で大きな価値転換が起きたとおっしゃっていました。
もっともっと歌舞伎を楽しみましょうね。
投稿: KAY | 2008年3月29日 (土) 21時58分
貴重なお話ありがとうございました。
十三代目の舞台を見ていない私でも、その人柄と芸に魅了されて何度も下北沢に通ってしまいましたから、この作品をのこしてくださった羽田監督と十三代目には、本当に感謝感謝です。
そしてあの日、上映が終わって電気が点いたら、仁左衛門さんと奥様が。戻られて「孫右衛門の巻」をご覧になられていたようです。思いがけないサプライズでした。
投稿: ryoko | 2008年3月30日 (日) 17時07分
> ryokoさん
電気がついたら十五代目ご夫妻があのこじんまりとした空間にご一緒にいらしたなんて、ほんとうに嬉しいサプライズだったことでしょうね。
映画で観た孫右衛門と忠兵衛父子の情愛と「伊賀越道中双六」の父子の情愛の深さは心にしみじみとした感動を残しました。もうあの姿を見ることが出来ないのだと思うと、そこはかとなく寂しいです。
投稿: KAY | 2008年3月30日 (日) 19時18分