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2009年2月

2009年2月28日 (土)

「浪花の華 ~緒方洪庵事件帳~」@NHK土曜時代劇

NHKの土曜時代劇は「陽炎の辻」があるからちょっと期待の時間なんだけど、今回はちょっと軽すぎて録画保存版には出来ないなと思っていた。ところが案外楽しく見ることが出来ている。

緒方洪庵の若い頃を窪田正孝、謎の美女剣士を栗山千明が演じている。最初の頃、オロオロ緒方章くんに呆れていたんだけど、「ケータイ捜査官7」の少年だと知ってから、現金なもので好感度が上がってしまった。栗山千明は凛として美しい。

岡山から蘭方医学を学びに大坂にやってきた緒方章(若い頃の尾形洪庵)の『大坂の人間は金ばかりだ』というぼやきが大阪経験のある私の苦笑を誘った。

NHKのHPに依ると秦始皇帝の末裔が大坂の町を守る影の存在という荒唐無稽な設定だけど、左近(栗山千明)の透明感のある凛々しさが、それを受容れさせてしまう。

師である蘭方医夫婦(蟹江敬三と万田久子)の厳しくも優しい人物が好ましいし、その息子耕介(杉浦太陽)の人の好さがとても効いている。安心感を与えるね。

左近が撃たれたり、章も今日は撃たれながらも懐に入れていた手術器具に救われたりするのは、幕末の風雲急を告げる時代を示しているのだろう。

来週はいよいよ最終回。仄かに慕う左近と別れて章は江戸へ向かうことになるのだそうだ。

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2009年2月21日 (土)

文楽公演「鑓の権三重帷子」&「敵討襤褸錦」

今月の国立劇場文楽公演は、3部構成で、夜の部「女殺油地獄」は見なかった。あまりに有名なストーリーで、以前にも見たことあったし・・・、結局それほど関心がない演目だってことかな。

それにしても驚いたのが、すぐ眠ってしまうこと。三味線の音に乗せた義太夫を聴きながら人形を見ていると、瞬きした際そのまま目を閉じて、耳で節を追いながら夢の世界へ。心地よいんだよねぇ。(^^;)

慌てて目を覚まして観るんだけど、また気付くと目を閉じてる。寝不足なのかもしれないけど、こうまで居眠りが続くのでは、つい人の所為にもしたくなる。

昔聴いた義太夫は、もっと激しくて、人の心・感情に訴えるものが強かったように思う。太夫の声に心を預けて人形を見ていれば、そのまま泣けたし、感動できたものだった。最近の義太夫はお利口さんというか、ちゃんと上手くていいんだけど、心が揺さぶられることが少ない。「鑓の権三重帷子」の見せ場というか、聴かせ場では、ここはもっとなりふり構わず盛り上げて欲しいよなと思うのに、優等生がちゃんとちゃんと演じてた。声に迫力がなくて、一瞬自分の聴力が落ちているんじゃないかと思ったほどだ。機内では気圧の関係で時々耳が遠くなる。その時のようにちょっと対応してみたけど変化無し。当然だよね、三味線はちゃんと聴こえてたんだもの。

竹本住太夫は別格だ。今でも聴いているだけでいいなぁと思う。もしかしたら「女殺油地獄」に出演で、聴けないかもと心配したが、幸い「敵討襤褸錦」の出演があった。大安寺堤の段の切で、刀の試し切りにしようと乞食のところへ来るが、その乞食は仇討ちを期していることが分かるという、台詞まわしが大切な場面だ。もちろん楽しめて有難かった。

この「敵討襤褸錦」の春藤屋敷出立の段に、ちょっとトロい長男を蓑助が遣っていた。出てきた時は、彼の体調が悪くて軽い役をしているのだろうかと思ったが、見ているうちに蓑助ならではの役なのだと判った。素晴らしかったよ。トロいから父親が殺されたことの意味をよく理解できなくて、、彼の周りには異なった空気が流れているが、それを蓑助が細かい動きで巧みに表現していた。敵討をしようにも長男だから率先しなければならないのに、それが出来ない。妾腹の次男三男に後を託して長男を手にかける正妻である実母。殺された父親に同行するのだよと言い聞かされて進んで死んでゆく若者の健気さが心に響いた。

蓑助や住太夫の演じる出し物ではそれほど眠くならずに鑑賞できたのは、彼らの技量故だろうか、それともその前に飲んだコーヒーの覚醒効果なのだろうか。

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2009年2月16日 (月)

CATV

我が家ではCATVと契約していない。一方、実家では一部契約をしているので、時代劇チャンネルとか、ミステリーチャンネルとかFOXTVとかを見ることができる。

実家に行くと、珍しいヨーロッパ刑事ものを原語字幕で見ることが出来て、嬉しくなっていたが、最近同じものの繰り返しであることに気付いて、ちょっとガッカリすることが増えた。

時代劇チャンネルも、連日鬼平犯科帳などを見れたころは、自宅でも契約すべきかなとすら思ったけど、今は日曜日に一本見れるだけ。今さら契約するほどのことはないかなと思い始めている。

人間、見れないとなると苛々と見たいという欲求が募ってくるけど、浴びるように見ることが出来ると、充足するというか、飽きてくるというか、必ずしも見れなくてもいいかなという気になってくる。面白いものだね。

TsutayaやNHKのオンディマンドって興味あるけど、まだ契約して得かどうかもっと検証しなくちゃな。

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2009年2月 9日 (月)

「警官の血」@TV朝日50周年ドラマ

NHKのETVも50周年、TV朝日も50周年といっていろいろ企画している。TV朝日の50時間番組編成、特にどうということはないけど、この2日に及ぶドラマがちょっと目を引いたかな。

以下ネタバレです。

私は「つづく」というドラマが嫌いなので、まずは前編を録画して、「後編」が始まる少し前からCMを飛ばしながら見た。

まず、警官家族のドラマというより、先の戦争で心に傷を負った同僚警官との隠された軋轢のドラマというところが意外だった。

フィリピン・レイテの戦闘を生き延びて、ゲリラ工作に携わった為に不信と裏切りと殺しを一層生生しく経験してPTSDに陥っていた早瀬(椎名桔平)は公安刑事となる。同期で交番勤務となった安城清二(江口洋介)は、戦後のどさくさで地域の男娼や組合員が殺された事件に早瀬の関与を疑い、放火事件の夜に彼を問い詰めて殺された。そして駅の鉄橋から投げ落とされて自殺として処理される。

安城警官だって戦争には行ったのだろうけど、対照的に素直で正義感の青年に設定されている。いかに同期とはいえ、対人間関係はもっと複雑に感情に反映するものだろうにとは思えた。まぁ、この場合は早瀬のはっきりした殺意があったから、それに倒れることはあり得るかなとは思った。

そして、幼かった息子の安城民雄(吉岡秀隆)は、早瀬等父親の同期の援助で高校を出てると、父親と同じ警官となる。ちょうど団塊の世代、先鋭化する学生運動に警察も神経を尖らせている時代だった。

早瀬の関与があったのだろう、民雄は北海道の大学に学生として潜入して捜査することを指令される。民雄は自らの正義感とやっている捜査との間に迷いを持っていた。気持ちが定まらないままに潜入捜査を続け、知り合いの女子学生の彼氏に付き添う形で過激派の集結場所に赴き、警察隊の突入で過激派逮捕に貢献する。しかし、彼氏は逮捕釈放後、その活動を過激化させ、彼の苦悩は深まってゆく。

問題は、彼が潜入捜査をしているのに、価値観をしっかり持てなかったことだろうね。だから彼の心は病んでいく。

彼は看護師といっしょになって内勤となるが、DVという形で病が現れた。妻の献身で救われ、町の駐在として元気になった民雄は、管轄区内でDVで妻を殺しそうになったヤクザを刺し殺してしまった老隣人を救うために凶器を隠す。多分、これは彼が主体性をもって行った行動だろう。人間的だが警察官としては許されない犯罪かな。犯罪だけど人間的というべきか。そして、警察署長はそれを黙認した。

ある日、父親が殺された日に写真館が写した映像を見て、民雄は父親を殺した人間が、自分の学費を出してくれた早瀬であることを知ってしまう。早瀬を訪ねると早瀬は人違いだと主張するのみか、民雄が一度だけ関係をもった女子大生が子どもを道ずれに自殺した新聞記事を見せ、民雄の罪を言い募った。

心の均衡を再び失った民雄は、直後に起きた幼子人質立てこもり犯のもとへ単身飛び込んで、子供を救ったあとに射殺されてしまう。駆けつけた息子に言い残した言葉は「これは罰なんだ」だった。

まぁ、画面を見ている限りでは、民雄の無謀さだけじゃないと思われた。子供が解放された直後に他の警官が飛び込んでいれば逮捕されてたはずだ。一人で取り押さえようと争って、射殺された。警官の不手際だな。

ま、とにかく、このようにして祖父と父が殉職した。そしてついに孫である安城和也(伊藤英明)の時代となる。

和也は私服刑事として丸暴捜査4課加賀谷警部(佐藤浩市)のもとに配属された。この人事は成績がよい加賀谷警部の暴力団との癒着を密かに調べる任務だった。

摘発が派手な加賀谷に惹かれ始めていた和也だったが、加賀谷が自分の彼女に手を出したのをきっかけに、加賀谷の摘発に踏み切る。しかし、加賀谷を逮捕した上司の狙いは加賀谷自身ではなく、加賀谷に繋がる警察上層部への無言の圧力を獲得することだった。

5年が経った。和也の調べを聞いた清二の同僚から問い詰められた早瀬は脳溢血で倒れ、老人ホームへ入った。和也は丸暴で加賀谷のように働いていた。

祖父の無念を晴らせない苛立ちもあって、暴力団と信金の癒着事件捜査の時、和也は水商売の女をおとりにして立件逮捕するが、違法捜査の疑いで追及を受ける身となる。

祖父の殺人を自殺として黙殺した警察、父の隠蔽を黙認した警察、早瀬のいくつもの殺人を無視してきた警察というものを実感した和也は、早瀬を老人ホームに訪ねる。最早すべては時効だと嘯き、得々と自らの犯罪と和也の父の犯罪とその黙認を語る早瀬の言葉を密かに録音していた和也は、それを持って警視総監秘書室に勤務する早瀬の息子(小沢征悦)に録音を聞かせる。早瀬の事件だけだったら、息子は辞職して和也の要求を退けたであろうが、和也の父を黙認した署長は現在副総監になっていた。組織を守る警察は和也に手を出すことが出来なくなった。

温情警察官を種に強請るみたいなことになったのは、ちょっと見ていて辛いところだったが、父の行為を誇りに思っていると言い切った和也はかっこいい。

和也はおとりに使った女直子を誘って、3代に亘って家族写真を撮ってきた写真館へ赴き、二人の記念写真を撮った。

組織と個人って違うよなって思うけど、どこか迷いがある。戦争時代を知らないけど、やっぱりそれでも残虐になれるかどうかは個人の問題もあるんじゃないかと思う。「すべて時代の所為」って言ってしまっては、人間が人間らしくないように思う。

どんな時代でも、どんな逆境でも、人らしく振舞った人々はいるじゃないか。そうありたいと切に望む。しかし、その時代を知らない者が、そう言い切ってしまうことは、時代に屈した人々に酷過ぎるのではないかと言う一抹の不安がある。

和也の、警察の体質を逆手に取った生き残り戦術は、今回功を奏したけれど、先行きに不安が付きまとうよね。その時に彼の心の盾となる「正義」がいつも彼と共にあることを祈ろう。

それにしても、女性達があまりに聖女っぽい。原作者じゃ女性を描くのが苦手かな?(^^;)

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