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2010年2月

2010年2月28日 (日)

映画”L’UOMO DELLE STELLE” (明日を夢見て)

1995年ジュゼッペ・トルナトーレ監督のイタリア映画。日本語の題名は明るい希望を思わせるけど、今見直してみると、気が重くなってしまう。

戦後の貧しい時代、映写機を持ってシチリアを回り、ローマの映画会社が新人を求めていると嘘をついて応募者から申し込み料をとる詐欺師の男。金持ちになりたい、有名になりたいなど貧しい人々の切ないが滑稽にも見える欲望を利用して儲けまくる。孤児で修道院に救われていた娘は、彼を信じ、ローマへ彼を追って行く。しかし悪事は暴かれ、男は被害を受けた者達から袋叩きにされた上、刑務所に入れられてしまう。出所した彼が捜した娘は、修道院から戻ることを拒まれ、男達を相手にしながら彼が戻るのを待っていたが、ついに心を蝕まれて施設に収容されていた。

Felliniの「道」を思わせるけど、無学で暴力的だが自分の力で生計をたてていたザンパノと智恵遅れでも人への慈愛にあふれたジェルソミーナとは、やはり異なるものだと思う。悪知恵の詐欺師と素朴だけど間違いなく自らの欲望に従った娘だった。同じ貧しさを描いていても、ここにある40年以上の製作年代の差は大きい。

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2010年2月26日 (金)

映画“IO SONO MIA” – 原作ダチア・マライーニ

大昔にTVをビデオ録画したが、イタリア語の原題だけメモしていて、日本語の題名は不明だった。ネットで調べてみたら『女教師ベニーナの性』というらしい。これじゃ正確じゃないね。『私は私のもの』、つまり、妻は夫のものじゃないよという女性自立の映画だ。

VTRBD/DVDに焼き直そうとしてHDDに録ってみた。当時は興味深いストーリーだと思ったけど、今見るとちょっと古いかな。男のアナクロが滑稽だ。ここにメモって録画自体は廃棄処分にする。

原作者Dacia Marainiは父親がFosco Marainiで、戦前日本で強制収容所にいたことがあるとか。Alberto Moraviaと暮らしていた女性作家として聞いたことがあった。

Vanina(ステファニア・サンドレッリ)はローマの小学校教師で、新婚の夫Giacintoと一緒にイタリア式バカンスで南の島に来ていた。そこはイタリアだけでなく、フランスやドイツの金持ち女性達がやってきて、地元の青年と一夏のアバンチュールを楽しむような避暑地だった。夫は地元のSancinoと友達になり、夏の海を満喫。妻のVaninaは家にいる時のように家事に忙しいが、夫は妻とはそうしたもので、夫に従うものだと考えている。

VaninaSancinoの弟で初心な少年Orioに心癒され、ついに親しくなる。夫に話すが、彼は妻の心を理解しようとせず、許すから以前のように従順になれと求めるのみである。Vaninaは、脚が悪くて一人で療養にきているSunaと知り合い、女性の自立を考えるようになるが、Suna自身は裕福な親に財政的に支援され、愛するSanciniの心を得られず、親からも理解されず、ついに海に身を投げてしまう。

夏休みも終わって、強引な夫のために妊娠したVaninaは、考えた末に身一つになって夫と別れて独立した暮らしを始める。

まぁ時代を映していたとしても、当時の男性の描き方は「えげつない」よ。多分これは女性原作者の考えなんだろうね。Stefania Sandrelliはとても素敵。しかし、今の女性は、日本ですらこんなに従順ではないよね。それとも、愛を求める気持ちが心弱くするのは時代を選ばないのだろうか。

しかし、男女の問題はお互いの問題だと思う。男が女を尊んでも、女がちゃんと自立した考えを持たなければ関係は変わらない。

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2010年2月11日 (木)

試写会 映画「きなこ~見習い警察犬の物語」@松竹

先日松竹の試写会に当たったので行ってきた。どうやらアンケートをとるための試写会だったらしくて、あらすじをネットなどにアップするのは一般上映開始後にしてくださいとあった。

書いちゃいけないのかと思って、今まで何も触れなかったけど、やっぱり試写会に行ったことすら書かないでいる必要はないのではないかと思えてきて、今日書くことにした。

http://www.kinako-movie.jp/

それで、ストーリーは書けないけど、小悪魔的少女が出てきて、憎らしい言動で泣かせてくれたのが印象に残っている。とても可愛かったよ。

公開上映は今年の8月ごろらしい。

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2010年2月 7日 (日)

「剣客商売スペシャル 道場破り」@フジテレビ

久しぶりの「剣客商売」だ。藤田まことの健康が回復したんだね。

今回のゲスト中村梅雀演じる浪人鷲巣見平助が剣術修業のために江戸に残しておいた妻は亡くなり、育った娘は夫の病のために悪徳医師から借金をして困窮していた。娘を救おうと道場破りを繰り返して金を稼ぎ、知り合った秋山小兵衛に娘に渡してくれと頼む。道場破りをされた恨みから鷲巣見は鉄砲で襲われるが、秋山大治郎が駆けつける。父は死ぬが、娘は借金から救われ、また父の想いも知ることになった。

藤田まことはよく頑張っていた。立ち回りも少しだけど見せたしね。主に大治郎の山口馬木也が鋭い剣さばきを見せるというのは以前からのことだ。

ひどい殺しの場面などもなく、そつなく纏まった娯楽作品になったといえる。面白かったよ。

最後の方で、娘の父親に対する複雑な思いをカメラが追っている時の音楽が、昔知った懐かしい曲だったけど、題名を思い出せなかった。歌詞を思い出そうと頭をひねったら、イタリア語の歌詞が浮かんだ。カンツォーネじゃないよなぁと思っていてふと気付いた。昔クラシックを歌うというイタリア人歌手のCDを聴いてた。あの時のクラシックだ。題名は・・・、まだ出てこない。(^^;)

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2010年2月 2日 (火)

「旗本がみた忠臣蔵」@江戸東京博物館

先ほどTVで羽田空港の映像が出てびっくりした。雪が降っていたね。それならここも降っているはずと、窓の外を見たけれど、雪が降っているようには見えない。南部といっても広いんだね。

昨日両国の江戸東京博物館に行ってきた。忠臣蔵大好きな私としては、「旗本がみた忠臣蔵」というタイトルは無視できないよ。

大名浅野家の分家である旗本の、若狭野浅野家三千石の軌跡とサブタイトルが入っていたのだが、よく分からなかった。あの騒動の前に、浅野家へ大石内蔵助の大石家から養子に入った人間がいて、親戚になっていた、若狭野浅野家は討ち入りした浪士たちの回向を密かに続けていたという様子は知れた。でも、忠臣蔵と呼ばれる討ち入りの行為には、当然ながら全く関与はしていなかったのだ。

同時開催の「将軍綱吉と元禄の世」という展示の方が少しばかり興味を引いた。犬公方と呼ばれ、ちょっとエキセントリックな将軍というイメージの綱吉が、名君だったという側面を持つとは、今までも聞いたことはあった。でも、ちょっと信じがたい気分だった。

「生類憐みの令」が出された時も、害獣駆除については、申請に基づいて許可が下りたりしていたそうだ。こういう理性的な運用がされていたというのは、あまり耳にしないことだね。

とにかく、平和な時代が長く続き、戦を知らない人が大多数になった時代、しかし戦の遠い記憶がまだそれとなく残っていたのが元禄時代だったのだろう。赤穂浪士の討ち入りが義士として讃えられ、忠臣蔵と囃されるだけの文化的円熟を迎えた時期でもあったのだね。

綱吉の次の将軍家宣の時代になると、「生類憐みの令」はすぐ廃止され、浪士の家族達も流刑から戻されたという。家宣は「綱豊卿」として歌舞伎の舞台にも現れる。ダンディな役者が演じる。梅玉とか仁左衛門とかね(^^;)

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2010年2月 1日 (月)

「女刑事音道貴子 凍える牙」@TV朝日

仲々楽しい作品だった。一人で大型オートバイを操る女性のツーリングにあわせて流れるプレスリーの"Are you lonesome tonight"。そこへ発生するレストランでの人身火災事件。やっぱりテレ朝だねと思った。他チャンネル二つのドラマと掛け持ちで見るつもりだったけど、即、他の番組は蹴飛ばした。面白さの度合いが違うよ。

<ネタバレ>です。

警視庁刑事部機動捜査隊の音道貴子巡査を演じた木村佳乃って、「相棒」の国会議員で決まっていたけど、今回の辛抱強いバツ一女刑事もぴったりだ。好い女優だね。

乃南アサの直木賞受賞作品が原作だそうだ。この作家の名前は新聞で見ているが、作品を読んだことはなかった。骨太な作品だね。

発火ベルトで焼死した男の大腿部に大型犬に咬まれた痕があった。その後男と女が狼犬にかみ殺される事件が続いた。立川署の女嫌いの中年刑事滝沢(橋爪功)と組んだ音道は、滝沢に憤懣をぶちかまされても冷静に対応し、狼犬を追う。やがて元警察鑑識に勤めていた高木(内藤剛志)が狼犬を訓練していたことが判明し、高木の娘が11年前に襲われた事件に、現在の被害者が関連していたことがわかった。

警視庁捜査一課の刑事だったころ、滝沢は仕事ばかりで家族を顧みず、妻は若い男と駆け落ちして離婚、ひきとった一人娘が非行で補導された時、捜査一課からはずれて娘を更生させた過去があった。彼は娘の復讐のために親子のような絆をもった狼犬を使う高木の心を理解した。

その高木の家が放火され、高木は入院、娘は焼死した。犯人は意外な人物だった。

狼犬の人間の心を慮ったような行動は感動的だ。放火犯を追い詰め、ついに喉笛を噛み切った。機動捜査隊でトカゲと呼ばれるバイク追跡を行なう音道は狼犬を追って山道を疾走する。狼犬は捕獲された後、食を断って昂然として死んでいった。

娘を失い、高木は自殺した。

見応えのある作品だった。勿論もっとなんとかという希望はあるよ。狼犬の凄さが映像的に充分描ききれなかった。高木は娘が回復期にあるのに、何故殺人なんて出来たのか。狼犬にそれほどの愛情を注いで、殺人をさせるなんて、本当に愛情といえるのか、などなど。でも、まぁエンターテインメントですからね。

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