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2010年5月

2010年5月31日 (月)

第28回 増上寺 薪能

一昨夜、芝増上寺で薪能を見てきた。実際は小雨のため、本堂で開催されることになったので、蝋燭と照明の中での上演だった。境内での開催がなくなったのを残念だと思ったのだが、あの黄金色の本堂で、ほとんど真正面で敦盛などを見ることが出来て、却って幸運だったかもしれないと感じた。

まずは、30分間の法要が行なわれてから始まった。声明は嫌いじゃない。舞いのような「鶴亀」の後に、狂言「鬼瓦」、旅先の寺で見た鬼瓦が妻に似ていると、恋しくて泣く男は、笑うというよりもむしろ、愛しく微笑ましい夫だと感じた。

最後の能「敦盛」、黄金の阿弥陀仏像を正面に、天井から枝垂れるようなこれも黄金色の筒状の装飾(なんと呼ぶのか知らない)の前で、小さな面(おもて)の敦盛の姿は哀れに美しく感動的だった。

徳川家の菩提寺の一つであり、浄土宗大本山という増上寺は、昔よく仕事帰りに歩いた道にあり、なんとなく身近な寺だ。薪能があることは知っていて、見たいものだと思っていたので、今年こういう形で実現して、美しい舞台を堪能できたことは嬉しい。

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二つの刑事ドラマ「刑事・鳴沢了」&「落としの金七事件簿」

土曜日の夜9時に二つのチャンネルで刑事ものをやっていた。録画して見た。どちらも悪くはないけど、良かったよ!というほどでもなかった。

ネタバレです。

「刑事・鳴沢了 東京テロ、史上最悪の24時間」主役は坂口憲二と矢田亜希子の刑事コンビ。連続婦女暴行殺人事件の被害者家族の悲しみと怒りに焦点を合わせたストーリー。周りの出演者も、遠藤憲一、寺島進、竹中直人など、結構個性派揃い。悪質な殺人犯が精神異常として罪を問われない現状に対する不満というのは、視聴者を納得させるように見えるけど、犯人を自由にして殺そうと、東京都民を人質にした爆発事件を仕組むなどは、如何に被害者家族が暴力組織の人間だったとしても、警察内部の人間が手を貸すには難がある設定だと思う。実際警官が二人爆死しているし、爆薬を調達した遺族が殺されたりしたところの描写がまるでない。原作があるそうだから、そちらには描かれているのかもしれないが、このTVドラマでは、身内が殺されたから、誰を殺そうとも究極犯人を殺せれば良いというのでは見ている者の納得は得られないよな。

「警視庁取調官・落としの金七事件簿」は現実にいた名刑事と呼ばれた男のドラマ化。でも、これもちょっと消化不良を起こさせられたね。だって迷宮入り事件から始まったんだよ。警察庁長官狙撃事件に参入を求められた警視庁捜査一課刑事小山金七(柳葉敏郎)、しかし警察の威信をかけた捜査は公安主体の捜査となり、捜査一課は動きを抑えられる。更に金七は胃癌が発見され、捜査からはずれて入院手術を繰り返すこととなった。思い出される金七の事件の数々が丁寧に描かれる。金七だけでなく、刑事の勘はそれなりのものを示していた時代だね。証拠を揃えた上でじっくり犯人を説き伏せて自供を導き出す。我々の記憶にも残る事件に多く携わった人だったんだね。トリカブト殺人事件の時の、アリバイ崩しの粘りは素晴らしい。家族サービスできなかったことを死後にまとめて返していくのもご家族には本当に感動的だっただろうなと思う。しかし、警察はついに長官狙撃事件を時効にしてしまった。この金七刑事が健康で捜査に加わっていれば、と思わせるのがこのドラマだろうか。夢をみたいというところかな。監督は「相棒」の和泉聖治。

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2010年5月27日 (木)

「チェイス~国税査察官」@NHK土曜ドラマ

先日最終回だった。

ネタバレです。

脱税を追う国税査察官春馬草輔(江口洋介)は、妻の飛行機事故を調べて、脱税コンサルタント村雲修次(ARATA)に行き着く。左手が義手の村雲は、脱税指南として資産家檜山の息子に近づく。

初回は、死期が迫った男を使って仕組んだ脱税など、ダイナミックでスリリングな手法や、査察捜査の手法などをちょっとワクワク見ていた。

でも、仕事人間を理解しない若い娘というワンパターンな人間や、村雲と檜山が関係があるようだと思わせる頃から、ちょっと楽しめなくなってきた。

脱税のために子供まで作ってしまう?・・・否、あれは脱税のためではない。復讐のためであり、脱税はその手段だった。見事に復讐を成し遂げ、大資産を得た村雲は幸せになれないのも、ちょっと平凡なパターンだと感じた。

あれだけの金を持ってれば、自分の死んだと思っていた母親の所在なんてすぐ見つけ出せるだろう。「村雲はかならず俺に連絡してくる」という査察官の言葉がバカバカしく響いた最終回の始まりだった。

国税査察から税務署に出向になっていた春馬のところに、檜山の資産をすべて詐取してカリブで豪勢に暮らす村雲から電話が入る。「非通知設定」というだけで村雲だと思うというのもちょっと違和感。私の携帯に海外から電話が入ると「通知不能地域」みたいな表示になるけど、「非通知設定」になることもあるのかな。

金が幸せにはしてくれないとしても、自分が求めるものを見失って崩れている村雲って変。もっとしたたかな人間に設定して欲しかったな。檜山の愛人の息子だった村雲が、子どもの頃誘拐されて、巨額な身代金を要求されたが、檜山が出そうとしなかった為に、犯人に左手首を切断された。そこまでは前回までの放送で判明していたけれど、なんとそれは檜山から金を引き出そうとした村雲の母親が謀ったことだったと今回で明らかになる。なんと酷い話し!でも、国税査察の話からは離れるね。

その母親が生きていて、穏やかな家庭を持っている。その母親の心情を描かないでこのストーリーは不完全じゃないか。春馬はヴァージン諸島の村雲の家を訪れる。その地下室での村雲と春馬の殴り合いのアクション、あれは必要なことなのか?クールなドラマだったはずなのに、平凡な活劇になったみたいな失望を感じた。

日本へ戻った村雲は、異母弟である檜山に刺されながらも春馬と共に母親の近くに赴く。結局実際に会おうとはせずに息を引き取る。息子名義にしていた財産を母親名義にしていた村雲。こんなことを描いて、何を訴えたかったのか。

結局、このドラマって何だったの。脱税と査察のドラマを見たかったのに、資産家の庶子に生まれた男の恨みと母恋いのドラマを見せられたってことなのかな。

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2010年5月18日 (火)

田中裕二@「情熱大陸」

私はお笑いが苦手だ。お笑い芸人が出るバラエティ番組などはあまり見ていない。爆笑問題の太田光が天才だと持て囃されるのを聞いても、仲々見る気にはなれなかったけど、NHKの「爆問学問」が取り上げる題材に興味を持って見始めた。

さまざまな分野の専門家と話している時、太田光の考えの深さを知って、確かに天才と言えるなと思う時がある。しかし、彼のような天才はどこかかしこには存在する。一方、田中裕二のような人物は、私にとっては驚きだった。太田光の悪口でもなんでも、的確に、即行で反応し突っ込みを入れる。心の動揺がほとんど見られない。こういう人は、私からは最も遠いタイプの人間だから、驚異とともに敬意すら感じてしまう。私にとっては田中裕二も又天才と言える。

「情熱大陸」というTV番組は、いつも見るものではない。今回は田中裕二がメインということでチャンネルを合わせてみた。やっぱり、私のように、田中裕二に着目する人がいるんだなと納得。

別の番組でも、田中裕二にはストレスが大きくは掛かっていないことが数値的に示されていた。素晴らしいことだ。あれほど難しそうな相方の横にあって、スピーディに物事を捌いていて尚ストレスが大きくないなんて、私から見れば、まるで異星人みたいじゃないか、

来週の「情熱大陸」は太田光だそうだ。重ねて見てみよう。

それから、伊集院光という、多分お笑いの人だと思うけど、彼の言葉の表現は仲々シャープだなと感じたよ。

2010年5月24日の追記:

太田光版を見た。真剣に生きている人がいた。以上。

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2010年5月16日 (日)

「御宿かわせみ」高嶋礼子版全3シリーズ放送@時代劇専門チャンネル

大発見だ。

自宅では地上波のみの契約なので、知らなかったのだが、今回九州の実家へ行って、老母の好きな時代劇専門チャンネル http://www.jidaigeki.com/special/1006_3/ を見ていたら、なんと橋之助版「御宿かわせみ」を放送すると案内があった。

6月7日(月)から高嶋礼子主演「御宿かわせみ」全シリーズ一挙放送とあった。前回の放送の時、『高嶋礼子版はこれで見納め』と謳っていたので、時代劇チャンネルで見ることは当分ないだろうと思っていたから、これは嬉しい驚きだ。

さて、ケーブルTV契約を考えるかな。6月の初めは再び九州の実家へ帰省する予定だから、そちらで少しは見られるんだけど・・・。(^^;)

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2010年5月15日 (土)

映画「花のあと」

藤沢周平原作の映画化だという。かなりの作品を読んだので、この作品も読んだだろうと思うが、それほど記憶には残っていなかった。しかし、良さ気なストーリーだと思ったので、見に行くつもりだったが、気付いた時にはもう都内ではやっていなかったので、今日横浜まで出掛けた。

北川景子がよくやっているという評判は聞いていたが、まぁ今の女の子だというのなら、結構うまくやったと言えるかもしれない。時々着物に着られている感じもあったが、時代物らしい所作はしっかり身に着けていたと言えるだろう。日々あの姿で生きているという馴染んだ生活とはとても思えない堅さだったが、上級武士の娘ということで目を瞑ろう。

ネタバレです。

以登(北川景子)は剣に勤しんだ父(國村隼)に剣を習い、道場で対する者もないほどの腕になった。桜の季節、下級武士の三男ながら剣で高名な江口孫四郎(宮尾俊太郎)と出会い、一度立会いをと約束する。白熱した竹刀の応酬、『女と侮ることなく立ち会った』孫四郎に小手を打たれて敗れた以登の胸に孫四郎に対する想いが生まれる。

以登には婿と決められた片桐才助(甲本雅裕)がおり、孫四郎も奏者番の家の娘に婿養子に入った。しかし、孫四郎の妻は以前から藩の重鎮藤井勘解由(市川亀治郎)と不倫の関係にあり、賄賂を取るなど藩政を陰で牛耳る藤井は、妻との関係に気付いた孫四郎を謀にかけて失態を演じさせ、自刃へと追い込んでしまう。

孫四郎の死に納得がいかない以登は、頼る人もなく、才助に調べを頼む。頼りなく見えていた才助は、江戸留学の間の友や知り合いを通じて、藤井の悪行を明らかにした。以登は孫四郎の仇討ちを計る。

藤井の悪行を書き連ねた書状で呼び出した以登は、藤井とその配下三人と一人で対決する。傷つきながらも藤井を倒した以登を優しく労わったのは才助だった。

藤井達を倒した人物は不明のまま、懐から出てきた書状から藤井の悪行が暴かれて、お家断絶となった。翌年の花の季節、以登は才助と静かに歩いてゆく。

最初に藤村志保が孫に自分の恋を語って聞かせるというナレーションが入るので、彼女が剣に倒れることもないことが分かっていて、見ていても安心だった。才助が7人もの子をなし、ついには家老にまで出世したという話に、やっぱり甲本雅裕では不満だと思った。彼はよくやったよ。でも、やっぱり最初が磊落というより下品な印象で、将来化けそうなという予感を与える人物であって欲しかったな。

ダンサーだという宮尾俊太郎も良かった。素人二人をここまで演技させたのだから素晴らしいと言うべきだろう。でも、観客は貪欲だ。やっぱり素人の固さが付き纏ったと言わざるをえない。武士の時代の堅苦しさがあったとしても、あの若さが自然と感じられるゆとりがあったらもっと素敵だっただろうなと思った。堅いんだよね。どんなに武士階級の窮屈さがあったとしても、人が生きている世界だもの、もっと動きが自然だろうにと嘆息した。

で、結論。楽しい映画だったよ。

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2010年5月 3日 (月)

「パディントン駅発4時50分(4:50 from Paddington)」@アガサ・クリスティ

原作は読んでいないけれど、テレビで見たアガサ・クリスティのミス・マープル作品の中で一番のお気に入りだ。

昔見たバージョンで、大学出の家政婦の素晴らしさに度肝を抜かれた。家事のプロは高給取り、その通りのお手並みに感心して、感動して、イギリスのメイドさんって凄い存在だと知った。

今回別のバージョン、つまり別のマープル女優の作品で見たのだが、それほど強いインパクトはなかった。昔の作品を探さなくちゃ。

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