« NHKドラマ「十年先も君に恋して」 & 宇宙エレベーター | トップページ | ビデオ「グラン・トリノ」 »

2010年10月17日 (日)

広島発ドラマ「火の魚」@NHK

とても好い作品だ。今年の3月にも録画して見て、好い作品だから感想をアップしようと削除しないでいたけれど、タイミングをはずしていた。

日本だけでなく、海外でも賞をとったようで、先月再び放送された。また録画して、今日再び見て、やっぱり好い作品だなと思う。

老作家が瀬戸内の島を久しぶりに出て、癌で療養している若い女性編集者の見舞いに行くところから始まる。彼(原田芳雄)は直木賞をとった作家だが、健康に不安を持って以来、実家の島に戻って健康的だがわがまま気ままな生活を続けながら、官能的な小説を書いている。そこへやってきた若い編集者の女性(尾野真千子)。最初は彼女を気に入らなかった彼だが、彼女が学生時代人形劇をやっていたことなどを知って、興味をもち始める。彼女の見事な影絵の人形劇は、島の子ども達だけでなく、彼の心もとらえる。「幸せの王子」「一寸法師」影絵も素敵だし、演じる彼女も上手い、そしてそれを見ている子ども達の引き込まれた様子がよく出ていた。

彼の好意が情愛に移りそうになった頃、彼女に本音を言わせることになった。それは彼が自覚していたことだった。編集者として彼の作品の変遷と感想をしっかりと述べ、現在の彼の作品に欠けているものを彼女は指摘した。

「怖いものは死ぬこと」と言う彼女に、死が身近である老人の立場で語る作家。

彼女が担当からはずれた時、作家は、彼女が癌の手術を受けたことがあり、今回再発したことを知らされる。死は若い者にとっても身近だったのだ。

一抱えの赤い薔薇の花束を胸に見舞いに行く彼。ストレスをかけたと詫びる老作家に、彼女は、自ら望んで担当編集者になったことを語る。二人は死を考えた時の孤独を共有する存在になった。

原作は室生犀星、明治時代の作家だと思っていたら、大戦後まで生きていたんだね。女性編集者の言葉遣いが古めかしく毅然としているが、編集者という役柄から納得させられる。原田芳雄の喋りが、むしろ現代性を持たせている。

原作の素晴らしさを実感させられるが、原作を読んでいないから判らないけど、渡辺あやという脚本家が良いのかもしれない。とにかくこんなに質の高い作品を見れることは珍しい。なんどでも見ちゃうぞ。

|

« NHKドラマ「十年先も君に恋して」 & 宇宙エレベーター | トップページ | ビデオ「グラン・トリノ」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« NHKドラマ「十年先も君に恋して」 & 宇宙エレベーター | トップページ | ビデオ「グラン・トリノ」 »