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2011年7月10日 (日)

映画「小川の辺(ほとり)」

私の作品評は、ほとんど<ネタバレ>です。

藤沢周平作品の映画化で、時代劇というので、行きたいと思っていたが、彼の作品は必ずしもハッピーエンドとは限らないので、ちょっと不安の中、映画館へ入った。

海坂藩の藩士である朔之助(東山紀之)は主命を受けて、主君に諫言して脱藩した佐久間(片岡愛之助)を討つべく、関東行徳への旅に出る。静かな佇まいの武士達、特に東山が感情を押し殺したような端正な立ち居振る舞いを示すが、まだ若いのかな、生きている人間の余白がまだないように感じた。

佐久間に同行している妻は朔之助の妹田鶴(菊地凛子)である。兄妹と共に育った小者の新蔵(勝地涼)が朔之助に願い出て従ってきた。気の強い妹に心優しく接していた少年新蔵の想いが伝わってくる勝地の健気さが心にしみる。

行徳で新蔵は佐久間夫婦を探し出し、田鶴の不在の時を見計らって朔之助を小川の辺に隠れ住む佐久間の元へ案内する。剣に秀でた二人の殺陣は、よく出来ていたよ。朔之助は佐久間を倒す。そこへ戻ってきた田鶴。迷わず兄に剣を振るって向かってくる妹。必死の妹に手こずるが、兄は妹の剣を叩き落す。泣き崩れる妹、その時、新蔵は思わず刀の鯉口を切っていた。新蔵の想いを知る朔之助は、新蔵を田鶴に残して、一人海阪へ戻ってゆく。

妹の夫を主命で討つなんて悲劇は観たいと思わないけど、藤沢周平はそれだけでは済まないだろうと期待していた。まぁまぁだね。ハッピーエンドではないけれど、救いのある結末だったもの。

東山紀之の武士はジャニーズとしてはよく似合う。もっと若かった頃、連ドラ時代劇をやって欲しいと思ったこともあったけど、彼は時代劇嫌いかと思っていた。年齢を重ねて時代劇を受け入れたのかな。姿はしっとりくるけど、まだ人間像の豊かさは十分じゃない。情を表現するのにはまだ時代劇に馴染んでいないということかしら。

この作品では勝地涼のひたむきさが救いだね。菊地凛子は時代劇的ではないけれど、がむしゃらな妹というイメージ表現には成功していたと思う。あの二人がこれからをどのように生きてゆくのかと思うと、それもまた藤沢周平の世界かなと思う。

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