« 2011年7月 | トップページ | 2011年10月 »

2011年8月

2011年8月30日 (火)

歌川芳艶~知られざる国芳の門弟

先日、原宿の太田記念美術館に行って、歌川芳艶の浮世絵版画を見てきた。

本当のことを言うと、芳艶ってよく知らなかった。彼の師である国芳は幕末の有名浮世絵師だ。いかにも幕末的というか、ちょっと説明的な浮世絵、で、ちょっと奇抜な面をもっていた。

芳艶の絵も物語に題材をとった武者絵などは、大蛇や怪魚と戦ったり、化けものもあって、かなり奇抜だ。しかしストーリーを思わせるから、観客の気持ちをつかむ作品が多かった。水滸伝、金太郎、忠臣蔵など、ふむふむと見ていられる。週刊誌や芸能ニュースののりだろうか。しかし明治の初めの新聞錦絵に比べると、まだずっと絵画的だ。

そうだよね。有名な浮世絵師だけでなく、周辺にもいろいろな作品を生み出した人々がいたということだね。

| | コメント (0)

2011年8月 6日 (土)

「秘密はうたう」A song at Twilight @紀伊國屋サザンシアター

私の観劇感想は当日ではない。今回も先月の観劇について。新宿の紀伊國屋サザンシアターに久しぶりに行ってきた。友達が見たいなと言い、すぐ何とか席をゲット出来た幸運が一層楽しかった。

英国人ノエル・カワード原作の舞台。いかにもだが、ちょっと時代が古いね。スイスの高級ホテルに長期滞在する著名な英国人作家ヒューゴ(村井国夫)と妻のドイツ人ヒルダ(三田和代)。ヒルダの不在中に、ヒューゴの昔の恋人で女優のカルロッタ(保坂知寿)がやってくる。若作りで軽い女だろうカルロッタを演じる保坂知寿って、ちょっと若過ぎる感じだった。もう少し年配の女優を当てて、若作りってことを明確にした方がよかったのではないかと感じた。実年齢に近い役だったのかもしれないけれど、最近の人は実年齢より若いよね。もっと10歳くらい年長の女優にやらせたほうが、若作りのイメージが出たんじゃないかしら。でも、後半は保坂知寿の演技が確かなものだと感じさせられたよ。

カルロッタが突然やってきて、ヒューゴが昔書いたラブレターを自分の自叙伝に入れる許可を求める。拒絶するヒューゴにカルロッタは、ヒューゴが若い頃の男友達宛に出した手紙を入手したと語った。ヒューゴの同性愛的傾向が世に知られると、彼の名声は地に落ちてしまう時代だった。ヒューゴとカルロッタの激しいセリフのやり取りと駆け引き。最早決裂と思われた時に妻ヒルダが戻ってくる。

ドイツ人という設定がクールでシャープな年配の女性というイメージをうまく出していた。そして、三田和代の素晴らしい演技が観客の耳を彼女ひとりの台詞に集めた。

万感を込めた彼女の最後の一言に、私も思わず涙してしまった。うまいなぁ!

そうそう、時々ポイントのように出てくるホテルマンの神農直隆が、セクシーで、うまく舞台にアクセントを与えていた。

| | コメント (0)

2011年8月 2日 (火)

音楽劇「リタルダンド」@渋谷パルコ劇場

友達がG2原作で吉田鋼太郎の音楽劇を見たいというので、一緒に渋谷へ出かけた。

「リタルダンド」、イタリア語で「遅らせる」という意味の単語動詞の進行形で、音楽用語では「だんだんゆるやかに」と訳されているらしい。

テーマは若年性アルツハイマーというので、大いに期待した。だって、昔、私は周囲の人が訝るほどこの病に恐怖を覚え、新聞記事やニュースを漁って、様々な資料をフロッピーに蓄えていた。当時は、治癒はおろか、進行を止めることも出来ない恐ろしい病という認識だった。今は、少なくとも進行を止めることが出来る、戦える病になりつつあると認識している。

音楽雑誌「リタルダンド」の編集長(吉田鋼太郎)と美しいキャリアウーマンの妻(一路真輝)は再婚して数年目。夫の息子は結婚に反対しているし、妻の兄(山崎一)も、一人で痴呆の母を介護していて、妹の結婚に反対だ。妻に惹かれている若い後輩(伊礼彼方)、夫の部下の男性に、女性(高橋由美子)の部下とは昔男女の関係があったと見られる。悪人は出てこないね。

音楽劇といわれれば、確かにそうだ。時々出演者が歌う。うまいけど、ストーリーの邪魔をするほど頻繁ではない。

会話が噛み合わなくて夫の病に気付く。自宅で編集することになったとして、場面はそのままで日が過ぎてゆく。親の介護への疲れから、妹を思いやって離婚を促す妻の兄。それを健気に断って介護する妻を、前妻の名前で呼びかける夫。自分のことまで忘れてしまったのかと嘆く女性部下。

最終号を出そうと努力する編集スタッフだったが、編集長の一文を載せることが出来ないことで行き詰る。彼が何も判らなくなったのかと皆が思った時、彼が以前に書いた文章が出てくる。そして、備忘メモとして書いて部屋中に張り散らしたメモの中から、彼の妻への愛情溢れる感謝の言葉があちこちから見つけられる。

最後は私も泣いたけど、現実はそうはうまく行かないだろうなと思った。私の希望としては、この病の当人の苦悩がダイレクトに反映されるようなハードなドラマを見たいなぁ。

一路真輝、素敵だったよ。高橋由美子は「レミゼラブル」でもその意外性に驚いたけど、本当、2時間ドラマの彼女とそれほど違わないのに、深みがあるというか、実体が感じられるというか、やっぱり驚きだったというべきかな。現代演劇の舞台では、もしかしたら彼女はそれなりの地位を確立した女優なのかもね。

妻の兄を演じた山崎一、今回初めて彼の名前を知った。顔はTVドラマで知っていた。「科捜研の女」ではレギュラーだもの。他にも単発でよく見かけるけど、名前はぜんぜん知らなかったんだ。舞台の役者だったんだね。

| | コメント (0)

« 2011年7月 | トップページ | 2011年10月 »