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2011年8月 2日 (火)

音楽劇「リタルダンド」@渋谷パルコ劇場

友達がG2原作で吉田鋼太郎の音楽劇を見たいというので、一緒に渋谷へ出かけた。

「リタルダンド」、イタリア語で「遅らせる」という意味の単語動詞の進行形で、音楽用語では「だんだんゆるやかに」と訳されているらしい。

テーマは若年性アルツハイマーというので、大いに期待した。だって、昔、私は周囲の人が訝るほどこの病に恐怖を覚え、新聞記事やニュースを漁って、様々な資料をフロッピーに蓄えていた。当時は、治癒はおろか、進行を止めることも出来ない恐ろしい病という認識だった。今は、少なくとも進行を止めることが出来る、戦える病になりつつあると認識している。

音楽雑誌「リタルダンド」の編集長(吉田鋼太郎)と美しいキャリアウーマンの妻(一路真輝)は再婚して数年目。夫の息子は結婚に反対しているし、妻の兄(山崎一)も、一人で痴呆の母を介護していて、妹の結婚に反対だ。妻に惹かれている若い後輩(伊礼彼方)、夫の部下の男性に、女性(高橋由美子)の部下とは昔男女の関係があったと見られる。悪人は出てこないね。

音楽劇といわれれば、確かにそうだ。時々出演者が歌う。うまいけど、ストーリーの邪魔をするほど頻繁ではない。

会話が噛み合わなくて夫の病に気付く。自宅で編集することになったとして、場面はそのままで日が過ぎてゆく。親の介護への疲れから、妹を思いやって離婚を促す妻の兄。それを健気に断って介護する妻を、前妻の名前で呼びかける夫。自分のことまで忘れてしまったのかと嘆く女性部下。

最終号を出そうと努力する編集スタッフだったが、編集長の一文を載せることが出来ないことで行き詰る。彼が何も判らなくなったのかと皆が思った時、彼が以前に書いた文章が出てくる。そして、備忘メモとして書いて部屋中に張り散らしたメモの中から、彼の妻への愛情溢れる感謝の言葉があちこちから見つけられる。

最後は私も泣いたけど、現実はそうはうまく行かないだろうなと思った。私の希望としては、この病の当人の苦悩がダイレクトに反映されるようなハードなドラマを見たいなぁ。

一路真輝、素敵だったよ。高橋由美子は「レミゼラブル」でもその意外性に驚いたけど、本当、2時間ドラマの彼女とそれほど違わないのに、深みがあるというか、実体が感じられるというか、やっぱり驚きだったというべきかな。現代演劇の舞台では、もしかしたら彼女はそれなりの地位を確立した女優なのかもね。

妻の兄を演じた山崎一、今回初めて彼の名前を知った。顔はTVドラマで知っていた。「科捜研の女」ではレギュラーだもの。他にも単発でよく見かけるけど、名前はぜんぜん知らなかったんだ。舞台の役者だったんだね。

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