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2012年6月22日 (金)

「藪原検校」@世田谷パブリックシアター

井上ひさし原作、栗山民也演出の「藪原検校」を見た。主演は狂言師野村萬斎、目の見えない悪漢を熱演してた。狂言回しの浅野和之に好感。小日向文世や熊谷真実など脇役は、数役を兼ねていた。

ストーリーは父親が金欲しさに座頭を殺した因果か、生まれた時から目が見えない杉の市の一生。父親は悪のわりに、因果におののいてあっさり自殺してしまう。座頭として育った杉の市は、才覚で生きていくが、強い者に虐げられることに反発して人殺しをしてしまい、更に母親を誤って殺してしまう。密通していた師匠の妻をたぶらかして師匠を殺させ、返り討ちにあったと思えるその妻を置き去りに、金を抱えて、検校になるべく江戸へ逃げる。

藪原検校に弟子入りし、非情な貸金の取り立てで頭角を現し、ついに師匠を殺して2代目藪原検校に就任しようとした杉の市の前に、以前の師匠の妻が現れる。しかし彼女を殺したところを見つかって捕縛されてしまう。無残な方法で処刑された時、杉の市は28歳だった。

萬斎の杉の市は口跡が良くて、熱演だったといえるけど、私の個人的な印象としては、狂言よりも落語的な世俗さがあった方が、このストーリーには似合っていたのではないかと思った。もしかしたら、落語では性表現などたっぷりの内容があまりに露骨になると考えたのだろうか。津軽三味線でなく、ギターだったことも、私としては、三味線ではリアリスティックになり過ぎるからギターにしたのではないかと感じられた。

萬斎の杉の市は、まだ始まったばかりだから、これから練られて、変貌して、充実していくかもしれないけれど、因果の物語なのか、彼の意志の結果の話しなのかをはっきりした方がいいと思う。終わった時の、彼が28歳だったという言葉が、とても切なく心に響いた。

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