« ドラマ「走査線上のアリア」by森村誠一@フジTV | トップページ | 「天日坊」@シアターコクーン »

2012年6月24日 (日)

ドラマスペシャル松本清張「波の塔」@TV朝日

昭和35年のストーリー、高名な松本清張原作とはいえ、汚職を追及する若き検事と、被疑者の妻との恋愛ものとなると、悲劇を想像してしまい、ちょっと身構えて見始めた。

東京オリンピックを控えた高度成長期で、建設ラッシュは建設省を巻き込んだ汚職が横行していた。汚職を追及していた小野木特捜部検事(沢村一樹)は、有夫ではないかと思いながらも、巡り合った美女より子(羽田美智子)に惹かれてゆく。より子は、贈賄や殺しまで策略するブローカー結城(鹿賀丈史)の妻だった。捜査が進んで、結城逮捕の時に、小野木検事はより子が結城の妻であることを知る。衝撃を受ける小野木だが、それでも愛は揺るがない。弁護士の画策で、小野木検事が容疑者の妻を騙したという新聞記事が出るが、より子は、二人の仲を否認し、夫の罪業を証言することで二人の愛を守る。

より子は樹海に身を沈め、小野木は検事を辞めて弁護士になり、生涯独身を通してより子を樹海に捜したが、ついに見つけることが出来なかった。すごい、純愛ドラマじゃないか。

日陰に咲くガラスの花のようだと評されるより子だが、芯が強く、愛に殉じるその言葉には泣かされてしまった。小野木だって、検事仲間や上司の前であることも構わず、彼女への愛を告白する。恋愛ドラマは苦手で見ないという私が、素直に涙を流しちゃったんだから驚きだ。沢村一樹のストレートな男の愛は良かった。照れがないのは、彼ならではだろうね。キャスティングの成功ということかしら。羽田美智子は、もう少し優雅さに深みがあるとよかったけれど、まぁ、この役に合っていると言って良いのだろうね。

松本清張の原作を読んでいないので、よく分からないけれど、彼の筋立ての骨太さがあり、また、竹山洋の脚本の効果も大きいのではないかと感じた。蟹江敬三のナレーションで展開が進んでいくのは、妙な生生しさが消えて、清廉なイメージを残したと思う。

あと、TV朝日だったことも、楽しめた要素の一つかもしれない。そう、ドラマって、TV局によってそれぞれ傾向があるんだよね。TV朝日は直球勝負の潔さがあるよね。

CMカットして2度見直した。もう少し録画を残しておこう。(^^;)

追記: 忘れてはいけないことをひとつ。 ブローカー結城のより子に対する愛だ。 二人のことを追及する結城の行動は、愛の裏返しの嫉妬でしかない。 自分の悪行を逐一彼女に語ったことも、彼女への愛の表れに見えた。彼女の愛を求めていた姿のように感じた。小野木検事との関係を暴露したのも、自らの詮議に有利に働かせるためでもあるけれど、嫉妬が底にあった。そして、すべてが済んで、去りゆく彼女が死を選ぶのではないかと思い至ることが出来たのも、彼が彼女を愛していたからだと言えよう。ここにもラブロマンスの影があったのだね。

|

« ドラマ「走査線上のアリア」by森村誠一@フジTV | トップページ | 「天日坊」@シアターコクーン »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ドラマ「走査線上のアリア」by森村誠一@フジTV | トップページ | 「天日坊」@シアターコクーン »