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2013年9月27日 (金)

新作「陰陽師~滝夜叉姫」@歌舞伎座

歌舞伎座新開場杮葺落 九月花形歌舞伎夜の部、新作「陰陽師~滝夜叉姫」の千穐楽公演を観た。

この作品が上演されると知って、必ず見たいと思った。一般のチケット販売初日にアクセスしたら、すでに完売だった。えっ? 仕方がない、幕見に並んで観ようと思っていたら、ネット上で譲って下さる方があって、幸い入手することが出来た。有難かったよ。それにしても、七月・八月の公演では空席があったから、びっくりだった。

でも、公演を観て、完売も宜(むべ)なるかなと感じた。あれだけの若手が勢揃いだもの。内容も良い。原作は私も読んでいる。コミックも映画も見て、安倍晴明ファンは多いと聞く。さらに新作ものにしては、本がよく練られていて、歌舞伎としての仕上がりが申し分なかった。

安倍晴明(染五郎)と源博雅(勘九郎)、平将門(海老蔵)と将門を誑かして天下を狙う興世王(おきよおう・愛之助)、将門の娘滝夜叉姫(菊之助)とその母で将門の愛妾桔梗(七之助)、そして藤原秀郷(俵藤太・松緑)といった面々が、千穐楽ということもあって誰もがなかなかの熱演だった。

平将門って関東では人気があるよね。さらに愛と怨念があるから、ヒーローとしての要件を充たしているし、四肢をバラバラにされたり首が飛んだりと、そのおどろおどろしさは歌舞伎にぴったり、海老蔵にぴったりだ。愛之助の悪も決まっていた。

陰陽師安倍晴明が大活躍とはいかないけれど、要所要所は抑えているから、大きな不満は生じない。染五郎はぴったりだと思うけど、もう少しキャラを尖らせてもいいかも。勘九郎の博雅の笛は、あれで美しいのかもしれないけれど、素人の私にも素晴らしいなと思わせる強烈な旋律が欲しかったなと篠笛大好きな私は感じてしまった。

ちょっとお遊びで「いつの日か」という言葉が遣われていた。TV「妻はくの一」の時の台詞だよね。これは私個人にはとても受けた。

最後の幕が下りても客席の拍手が続いた。あれ?もしかして?見てると緞帳が上がった。えぇっ!?歌舞伎座でカーテンコール?新作だからなのか、千穐楽だからなのかは知らない。居心地悪い思いで眺めていたら、ミュージカルの時みたいな大袈裟なパフォーマンスはなくて、主な役者たちが並んで軽く会釈してふたたび幕が下り、もう上がらなかった。熱演の良い舞台だったから、この程度ならいいかと思えた。

今回は久しぶりにカタログを買い、イヤホンガイドを用いた。新作だからカタログが欲しかった。イヤホンガイドは昔使ってみたら煩くて、舞台を楽しめなかったから近年ほとんど借りたことがなかったけれど、今回とても良かった。音声はちゃんと入っているのかしらと不安になるほど、演技中は沈黙。新しい場面や役者の登場に合わせた短い説明で、これはとても有効だった。カタログを読んでいたけれど、時間が過去に飛んだり、関東と都と舞台も変わるから、解説に助けられたかもしれない。このサービスは進化しているんだね。

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