狩野芳崖「悲母観音」@東京芸大美術館
狩野芳崖の「悲母観音」は私が大好きな絵のひとつである。毎年芸大の虫干しのように年に一度展示がある。それを楽しみにして通っているのだが、今年は春に展示がなかったので寂しいなと思っていたら、なんと夏に「狩野芳崖展」が開かれた。
今年の夏は私にとって大忙しの季節で、気付いてみたらもうあと数日で終了となってしまったので、大慌てで雨の中敢えて出掛けてきた。
勿論後悔はしないさ。この「悲母観音」だけを見ても私は充分満足するだろうけど、今回は芳崖の若い頃からの作品から絶筆となった悲母観音に至るまでの作品が並んでいたので、ちょっと得した気分だった。
山口長府の狩野家に生まれて幼い頃から絵を学んでいたそうだ。13歳くらいの写し絵やら古典を模した絵の素晴らしさに感嘆した。19歳で京都の狩野派に弟子入りするが、すぐ幕末維新となって身分や職を失ってしまう。
フェノロサに出会って見出されるが、芸大教授が決まっていたのに就任前に亡くなったそうだ。運不運の激しい繰り返しの人生だったようだが、この作品「悲母観音」だけでも彼の巨大さが納得される。
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