美術・絵画

2013年2月20日 (水)

歌舞伎座新開場記念展「歌舞伎 - 江戸の芝居小屋」@サントリー美術館

お芝居が好き。歌舞伎とか文楽とか、映像でもいいかな。歌舞伎座建て替えで、松竹から煽られているのは気分良くないけれど、一昨年はそれなりに通った。新しい歌舞伎座にも結局通うことになるだろうなと感じている。

開場記念の美術展を六本木ミッドタウンに見に行った。ちょうど時間的に幸運で、解説講座を聴くことができた上に、鳴り物のデモンストレーションにも間に合ったので、約3時間たっぷり楽しむことが出来た。

出雲の阿国が踊っている絵から、江戸三座の地図や舞台絵、そして役者絵と揃っていた。市川團十郎は紋所からすぐ判るけど、他の役者は一目ではわからない私。それでも、実際に見たことのある芝居の絵は親近感があるよね。勿論、昔の役者の実物を知らなくて、どれほど似ているのかわからないから、当時の江戸の人々の喜びそのものが感じられないもどかしさもあった。

私の一押しは、早稲田大学演劇博物館所蔵の九代目市川團十郎の俳句かるたの絵99枚だね。100枚の俳句もあったけれど、99枚の絵は本職はだし。どこか若冲のような、抱一のような絵ではあるけれど、その技量は素人ではない。完成度の高さに、九代目の教養の高さを実感した。素晴らしかった。

去年は中村勘三郎を亡くし、市川團十郎を亡くした歌舞伎界だけれど、どうやら世代交代の時期を迎えているのかもしれないね。観客の世代も交代かしら。まぁ、細く長くぼちぼち新しい歌舞伎座に足を運ぶとしよう。

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2011年6月28日 (火)

増上寺秘蔵の仏画「五百羅漢」図@江戸東京博物館

今年は浄土宗の開祖法然上人の800回忌の年であり、東京芝の増上寺ではいろいろな催しを予定していた。三解脱門の開放やこの秘画の展示などだが、ともに3月11日の東北大震災と津波の甚大な被害ゆえ延期になっていた。

幕末の絵師狩野一信の五百羅漢図を江戸博で見てきた。以前三門に上がらせていただいた時には十六羅漢像があったけど、これは100幅の絵に五百羅漢が描かれているという。暗い退屈な絵ではないのかという一抹の不安を払拭するおもしろさだった。

考えてみれば当然かもね。当時の信徒が見て、理解できる必要があったんだもの。地獄で火に煽られる人々を救おうとする羅漢たち、鳥や獣になった魂に説く羅漢たち、などなど、菩薩に見守られたりしている。そして、最後は浄土の様子。

新約聖書なら読んだこともあり、旧約聖書だって部分によっては読んだけれど、仏教については具体的なことをあまりにも知らな過ぎる私。法事で般若心経を読んでみても、意味判らないもの。

仏教の教えってどんなものなのか、昔の一般の人々にとっての仏教はどういうものだったのかは大いに関心がある。カタログを買ってきたので、時々眺めてみるとしよう。

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2011年3月 7日 (月)

琳派芸術@出光美術館

皇居前の出光美術館へ友達と行った。俵屋宗達~尾形光琳~酒井抱一~鈴木其一に至る江戸琳派の屏風絵などの美術展。

『十二ヶ月花鳥画貼付屏風』が一番気に入ったかしら。季節を示す花に鳥が添えられていました。

『四季花鳥画屏風』は、お人形のための小さな豪華屏風で、裏は銀と薄墨で波の絵が描かれていて、とってもゴージャス。コピーがあったら欲しいなと思うほどでした。
あそこは、窓から丸の内~内幸町のあたりのビル群やら皇居の緑やらを見渡せて、とても雰囲気の良いところで、私のお気に入りです。
 

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2010年11月12日 (金)

「隅田川~江戸が愛した風景~展」@江戸東京博物館&「徳川御三卿展」

14日までだと気付いたので、昨日急いで両国へ出掛けた。私はあまりボランティアガイドに積極的ではないが、隅田川だけでなく、両岸の浅草や三囲り神社、吾妻橋や永代橋などのいろいろな橋、そして一帯からの富士の眺めと、江戸の色合いたっぷりだった。

浮世絵鑑賞も私の趣味だが、仲々保存状態の良い鳥文斎栄之を初め、鍬形蕙斎(北尾政美)や鈴木春信、広重や国貞など舟遊びの美人図や花火を見る人々など多くの絵があった。酒井抱一の絵ではなくて賛があるのは珍しい。

ふと見て、これはと思ったら、やはり北斎の絵本だった。知らなかった絵を見て北斎の作品だと気付けたのは嬉しかった。

角田川とも墨田川とも呼ばれたという隅田川だが、『大川』と呼ぶと一番江戸時代を思わせる。江戸の人々の暮らしの中心を流れていた川だったのだなと実感出来た。

その後、駆け足で見た「徳川御三卿展」だが、私の中では田安と一ツ橋はよく知っていたけれど、清水は馴染みがなかった。御三卿が御三家を補助する立場だったとは思っていたけれど、実際は幕末まで目にしなかった。

さすが徳川家だから、文書の文字の美しさ、紙の上品さなど、良質なものだ。当主の直筆の手紙があり、狩野派の絵を模写したものがあり、姿の良い焼物に梅を絵付けしたものがあり、活き活きとした文人殿様の様子が伺えて楽しかった。

あちこちに養子に出された子ども達は、各地の藩主となって徳川家を支えたのだね。小さな企画展だが、徳川家の人間をちょっぴり感じることができた。


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2010年9月 6日 (月)

「日本美術のヴィーナス」展@出光美術館

おもしろそうだなと思っていたら、新聞評が良かったので、昨日出かけてきた。もうすぐ終わりという日曜日なので、相当な混雑を覚悟していたら、思いの外ゆったりと見ることが出来た。

確かに、普賢菩薩に見立てた美人画などは、納得だけど、それ以外はさほどのインパクトもなく、ひたすら美人が描かれていた。本当に「美人」だったよ。浮世絵師の肉筆画もさることながら、鏑木清方から上村荘園にいたる日本画の美人の伝統は素敵だ。でもね、私の好きな葛飾北斎の「酔余美人」がないのが残念だった。北斎の作品では、「月下歩行美人図」だけが出ていた。画集を見ると月の色がずいぶんと違っていたので買うのは諦めたけど、好感度の高い美術展だったと思う。

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2009年12月19日 (土)

「皇室の名宝」&「冷泉家王朝の和歌守」展

先日上野国立博物館平成館の「皇室の名宝」展へ行ったが、絵画の多かった前期と違って後期だったので、藤原定家や藤原俊成の書などがあった。

今日、同じく上野の東京都美術館であっている「冷泉家王朝の和歌守(うたもり)」展に行ってきた。こちらは本来書や本ばかりだ。すごいよ、学校で習った有名な歌集は全部写本が残っている。紙質の良さなどは、流石に年月を経て不明瞭になっていたけど、書かれている文字はしっかり残っている。古人(いにしえひと)の努力の跡だね。

紙が貴重だったからかもしれないが、反古の裏を用いたものが多かったのは意外だった。歴代天皇から宸翰(しんかん:天皇の直筆)を頂く家柄だものね。それだけ何でも残してあったということかもしれない。

写本の作り方の中でも、縦線を引いた下敷きを用いて真っ直ぐに書くというのも驚いた。昔便箋を買うと、縦線や横線を引いた下敷きが付いてきていたが、あれは初心者用の現代の発明だと思っていた。昔の人は普通にちゃんと縦書きできるものなのだと思っていたよ。

何か心ときめくというか、感動できる字体を求めて見て回ったけど、案外これといった文字には出会わなかった。それなりに能書はあったんだけど、私のお気に入りというところまでは行かなかった。皇室展にあった藤原行成の文字に好感をもったくらいだったかな。

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2009年11月30日 (月)

「皇室の名宝」展@上野国立博物館

今回の展覧会は、何がお目当てということもないけど、皇室に保存されてきた名宝をちょっと眺めてみようかなというくらいの心持で出掛けてきた。

前期は先月若冲などの絵画を中心にした展示だったらしいが、後期は書が主体なのでちょっと地味め。入場を待たされるかと思ったら、すんなり入場できた。中は混雑していて、歩いてくれという係員の言葉があちこちで聞かれた。あんなの放っておいてくれてもいいのにな。

さすがに皇室の御物だけあって、凡作はないね。香の道具などの緻密さ、豪華さは抜群だ。何人かの天皇の直筆の書があるのもむべなるかな。

妙跡と言われる筆跡もあったけど、一番印象的というか、私のお気に入りになったのは藤原行成の手かな。美しい筆跡だった。和漢朗詠集の一部を写した絵葉書を買ってきた。

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2009年5月23日 (土)

国宝「阿修羅展」@東京国立博物館

前売り券を持っていたので、終盤の混雑を避けて行って来た。といっても通常2時間待ちと言われていたし、新型インフルエンザが首都圏にも侵入したので、ちょっと躊躇したけど、券を無駄にするほど外出自粛の時期じゃないよね。週末の時間延長を利用して、夕方から出掛けたので、実質30分くらいしか待たなかったし、陽射しに照らされることもなく、気楽に待つことができた。

興福寺創建1300年記念の国宝展、すごい歴史だね。TVでいろいろやっているので、実物見るまではないかなと思わせたけど、実際に見ると、黄金色がうっすら残っていて、清らかな気品があった。八部衆像とか十大弟子像は端正で可愛らしかった。

出土した鏡や大盤などの展示もあったが、中でも水晶数珠の玉がとても高貴な輝きを示していて美しかった。それらを見ると『宝物』という言葉を実感することが出来た。

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2008年9月21日 (日)

狩野芳崖「悲母観音」@東京芸大美術館

狩野芳崖の「悲母観音」は私が大好きな絵のひとつである。毎年芸大の虫干しのように年に一度展示がある。それを楽しみにして通っているのだが、今年は春に展示がなかったので寂しいなと思っていたら、なんと夏に「狩野芳崖展」が開かれた。

今年の夏は私にとって大忙しの季節で、気付いてみたらもうあと数日で終了となってしまったので、大慌てで雨の中敢えて出掛けてきた。

勿論後悔はしないさ。この「悲母観音」だけを見ても私は充分満足するだろうけど、今回は芳崖の若い頃からの作品から絶筆となった悲母観音に至るまでの作品が並んでいたので、ちょっと得した気分だった。

山口長府の狩野家に生まれて幼い頃から絵を学んでいたそうだ。13歳くらいの写し絵やら古典を模した絵の素晴らしさに感嘆した。19歳で京都の狩野派に弟子入りするが、すぐ幕末維新となって身分や職を失ってしまう。

フェノロサに出会って見出されるが、芸大教授が決まっていたのに就任前に亡くなったそうだ。運不運の激しい繰り返しの人生だったようだが、この作品「悲母観音」だけでも彼の巨大さが納得される。

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2008年9月 6日 (土)

「源氏物語の1000年」@横浜美術館

今年は源氏物語が書かれておよそ1000年と言われ、あちこちで関連の催し物が開かれている。

江戸好みの私としては平安文化はどこかしどけない感じがして熱っぽくなれなかった。しかしあちこちで耳にするとその優雅さに興味をもって、見に行ってきた。

結論から言うと「よかった」(^-^)

源氏物語をすべて読んだわけじゃないけど、あちこちでつまみ食いしたため、いろんなストーリーは思い当たる。イアフォンガイドを聞きながら見ると絵巻の意味が分かって面白かった。

去年は石山寺に行って、紫式部が源氏物語の着想を得たという部屋も見てきたので、それを見立てた絵にも親しみがある。

楽しめたのは出展されている作品の質が良いということもあるかもしれない。紫式部自筆のものは存在しないらしいけど、後年の写しでしっかりしたものがあるし、江戸期には印刷も出てきて庶民化し、パロディも含めて様々な源氏物語関連ものが出現してきたのも興味がわく。

そして、閲覧後、脇のレストランで記念ランチを食べたよ。

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