文化・芸術

2009年9月 7日 (月)

建築家 坂倉準三展@パナソニック電工汐留ミュージアム

友達の親戚の建築家だからとお招きを受けて出掛けてきた。

昭和の初めにフランス留学ってすごいな、なんて考えていたら、ル・コルビュジェというモダニズムの建築家に学んで、パリ万博の日本館で賞をとったという。

「モダニズムを住む」というサブタイトルだったが、戦前戦後のあたりというのに、本当に今に通じる近代性がある住空間が展示されていた。素敵だと思ったのは、鉄筋の建物なのに、日本の里山や庭木との調和が図られていることだ。モダニズムの中に日本らしさが息づいているのが爽やかだった。

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2009年8月10日 (月)

「辻村寿三郎展」@目黒雅叙園百段階段

目黒雅叙園って、以前から一度行ってみたいと思っていましたが、今まで機会がありませんでした。今回、普段は一般公開していない『百段階段』で辻村寿三郎の人形展(「平家物語」と「雨月物語」)とあっては、行かずにはいられないでしょう。

JR目黒駅西口から坂を下ること5分ちょっと。もし道を間違えていたら、戻りの上りは辛いだろうなと思わせる坂でしたが、うまく到着。「千と千尋」の風呂屋のモデルになった言われている目黒雅叙園、近代的な面の顔がちょっと意外でした。勿論、あの映画のモデルは東北の方とか台湾の施設とかも名があがっているそうで、ここだけがモデルということもなさそうです。

山肌に沿って建てられた木造家屋、靴を脱いで階段を登りました。脇に作られた部屋は、豪勢な柱、天井絵が豪華で素晴らしく、寿三郎の人形の妖しさにぴったりでした。画像を撮れなかったのが残念です。

階段をのぼっても、のぼっても部屋からの眺めはせいぜい2階くらいの高さで、庭の緑がしっとりしていました。

帰りは雅叙園の無料バスで目黒駅まで。権之助坂をえっちらおっちら上らずに済んで助かりました。

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2009年5月23日 (土)

国宝「阿修羅展」@東京国立博物館

前売り券を持っていたので、終盤の混雑を避けて行って来た。といっても通常2時間待ちと言われていたし、新型インフルエンザが首都圏にも侵入したので、ちょっと躊躇したけど、券を無駄にするほど外出自粛の時期じゃないよね。週末の時間延長を利用して、夕方から出掛けたので、実質30分くらいしか待たなかったし、陽射しに照らされることもなく、気楽に待つことができた。

興福寺創建1300年記念の国宝展、すごい歴史だね。TVでいろいろやっているので、実物見るまではないかなと思わせたけど、実際に見ると、黄金色がうっすら残っていて、清らかな気品があった。八部衆像とか十大弟子像は端正で可愛らしかった。

出土した鏡や大盤などの展示もあったが、中でも水晶数珠の玉がとても高貴な輝きを示していて美しかった。それらを見ると『宝物』という言葉を実感することが出来た。

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2008年12月 7日 (日)

加藤周一氏逝く

昨日、加藤周一氏逝くというニュースが流れた。年齢的に見て、あり得ることだろうけど、ついにという喪失感は大きい。

彼のどの著作を読んだと言うわけでもない。手にした新聞や雑誌のエッセーを読んだていどだろうけど、私は彼に『私淑』していた。

戦争のこと、平和のこと、そして人の心の問題について、一刀両断に単純化してしまいがちな私だが、それでも彼の文章の中に確固たる平和への意志を確認しては、自分のその時その時の心根を信じていく勇気を得ていた。

去年の木枯らしの季節だったか。東京大学に彼の講演を聴きに行った。偏屈そうな外見にも拘らず若き後輩達への穏やかな接し方が印象的だった。

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2008年10月25日 (土)

神田大明神@神田明神社

雨の中を神田へ出掛けてきた。神田明神社での講座というので、江戸文化ファンの私としては逃せない。幸い小降りの中で到着、帰る頃にはほとんど雨も上がっていた。

神田明神といえば、私にとっては「銭形平次」だよね。御茶ノ水に行く度にあの辺だと見当をつけていたのだけれど、今日行ってみたら「ここは湯島聖堂」とあってびっくり。一瞬あわてたけど、実際の神田明神はその奥にちゃんとあった。東京のど真ん中とは思えないほどどっしりした神社だった。銭形平次の碑もちゃんとあったよ。

権禰宜さんの講座「江戸総鎮守 神田明神探訪」は、神社とは、神道とはという話で、これまでちゃんと聴いたことがないので貴重な機会だった。

神田明神社はオリジナルにはだいこく様(大己貴命)と平将門を祀っていたのだが、後にえびす様(少彦名命)を加えたのだそうだ。でも、すさのをを祀った江戸神社もあって、神道の神様って判り辛い。

江戸幕府との絡みや、京への対抗という存在意義があったということや、現在は日本人が神道について知らなさ過ぎることなど、神道に勤しむ人々の自負と苛立ちを感じさせた。そうだよね、私の年頃ですらほとんど知らないんだもの。

ま、最近読んだ「陰陽師」で平将門の怨念について読んだので、『首塚』なんて言葉は納得できるようになったけどね。

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2008年9月 6日 (土)

「源氏物語の1000年」@横浜美術館

今年は源氏物語が書かれておよそ1000年と言われ、あちこちで関連の催し物が開かれている。

江戸好みの私としては平安文化はどこかしどけない感じがして熱っぽくなれなかった。しかしあちこちで耳にするとその優雅さに興味をもって、見に行ってきた。

結論から言うと「よかった」(^-^)

源氏物語をすべて読んだわけじゃないけど、あちこちでつまみ食いしたため、いろんなストーリーは思い当たる。イアフォンガイドを聞きながら見ると絵巻の意味が分かって面白かった。

去年は石山寺に行って、紫式部が源氏物語の着想を得たという部屋も見てきたので、それを見立てた絵にも親しみがある。

楽しめたのは出展されている作品の質が良いということもあるかもしれない。紫式部自筆のものは存在しないらしいけど、後年の写しでしっかりしたものがあるし、江戸期には印刷も出てきて庶民化し、パロディも含めて様々な源氏物語関連ものが出現してきたのも興味がわく。

そして、閲覧後、脇のレストランで記念ランチを食べたよ。

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2008年8月20日 (水)

「ボストン美術館 浮世絵 名品展」@福岡市立美術館

8月31日まで福岡市の大濠公園にある美術館で開かれている。今年の初めに名古屋のボストン美術館で開かれていて、今秋には東京へやってくる。待ち遠しく思っていたが、先日帰省したついでにちょいと寄ってきてしまった。

ポスターに北斎の富士も載っているので、北斎大好きの私は大いに期待したんだけど、実際北斎の作品は多くなかった。これまでに見たことのない作品というのも多くはなかったけど、なんといってもボストン美術館の作品は色が鮮やかに残っていて、当時の人々が楽しんだであろう作品の風情に接することが出来るのが貴重だ。

オリンピックが始まってから混雑しなくなったとか聞いたが、ゆったり見て回ることが出来た。何度も携帯を鳴らす女性とか、声高にお喋りする女性二人とかいて、何なんだよと思ったが、それ以外は楽しめたかな。

ついでに覗いた通常展の中に私の好きな中村彝(なかむらつね)の自画像があってびっくり。水戸の画家の作品を福岡市が所蔵しているなんて意外だね。

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2008年8月16日 (土)

フェルメール展~光の天才画家とデルフトの巨匠たち~

10日ほど前、東京都美術館へ「フェルメール展」を見に行った。

レンブラントが光の画家と言われているのは知っているが、フェルメールの画も光がとても印象的に用いられている。その上、透明感のある輝きがある。

デルフト(地名)の巨匠たちと呼ばれる画家たちの作品は同じ系統で、フェルメールが突然変異的に発生した画家ではないことが知れた。

もうひとつ印象的だったのは、フェルメールの作品の人物にドラマを感じることが出来ることだろう。たとえば、「リュートを調弦する女」に描かれた若い女性は、リュートを調弦しながらふと窓の外のなにかに気付いたふうに眼を輝かせていた。眺めていると彼女の心のドラマを感じるではないか。

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2008年3月21日 (金)

「春季二科展」@東京都美術館

叔父さんが画家という友達から招待券を貰って、上野の東京都美術館へ二科展を観に行ってきた。

個人の作品展とは違うから様々な傾向の絵画が集められていて、私の好みのものから関心をひかないものまでいろいろあった。自分の好みの傾向を知ることも出来る機会だった。

私は濁りのない黄色系の明るい絵が好きらしい。同時に黒を効かせた深みのある茶や緑の組み合わせも気に入った。本来は赤と黒のようなインパクトの強い組み合せがお気に入りだった。

絵のタイトルも画家の凝り様が見えて興味深い。しかし、やっぱり個人の作品展の方がその画家の人間性が見えるような気がして面白いかな。

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2008年1月27日 (日)

「王朝の恋 伊勢物語」@出光美術館

丸の内に出掛けたついでに出光美術館に行ってきた。「王朝の恋 伊勢物語」絵巻物や屏風絵などがあった。
佳い男の在原業平がどんなふうに描かれているのか興味があったけど、昔の人はそれほど容貌の描写に関心がなかったみたい(^^;)それでも流石に江戸中期くらいからはくっきりとした人物像が描かれていた。いいね。
それにしても自分自身の伊勢物語に関する知識がおぼろげで、教養の低さに愕然としてしまった。勉強が足りぬー!トホホ(^^;)

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2007年12月14日 (金)

「大徳川展」カタログ

先日終わった「大徳川展」@国立博物館、カタログが売り切れだったので予約していたのだが、本日到着。絵巻物などが小さな写真になってしまっているのは残念だけど、見れば見るほどすごいよね。

充実の豪華品目、権力というもの、長く続いたということの意味を考えさせられた。

将軍だけでなく、天皇の直筆の手紙もあった。とにかく品物の質が良い。硯にしろ見台にしろ、茶器や盆などの日常品でも立派なものばかりだ。婚礼調度品などは言うに及ばずだよね。

たっぷり見甲斐のあるカタログだ。

(K)

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2007年11月17日 (土)

「文豪・夏目漱石展」

両国の江戸東京博物館の「文豪・夏目漱石展」へ昨日行ってきました。私は高校生の頃夏目漱石の作品を読んではまったことがあったので、これは行こうと思っていたのだけれど、のんびりしているうちに終わりそうになったので慌てて出掛けました。

1時間半もかけたのに、最後のほうは駆け足を余儀なくされるほど、じっくり見ていると時間がなくなってしまいました。仕方ないから東北大が出したカタログを兼ねる書籍を買って来ましたが、写真が小さくて、漱石が書き込んだ自筆が判読難しそうです。

明治時代は数学など学科授業を英語で受けたんですね。すごいです。英作文もなかなか凝った表現でした。文字が小さいのと展示ガラスの奥に置かれているのでじっくり読むことはできませんでした。オペラグラスでも持っていけばよかったかしら。

英語の教師としても厳しかったようで、「この生徒はクラスに向いてない」(The boy is unfit for the class.)とか書いてあったりしました。

そして、聞いてはいたけど、正岡子規などとの友情も素敵で、漢文を書き、手紙のやり取りをし、俳句を一緒に楽しんで、その交流の質の高さも印象的でした。

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2007年6月12日 (火)

神楽坂毘沙門寄席 第七回菊之丞の会

20070628_7a3 先日神楽坂に行った時に前売り券を申し込みました。

古今亭菊之丞の「士族の鰻屋」と小猫の形態模写です。

上野の鈴本演芸場に一度、国立演芸場に一度行ったことがあるくらいだけど、和の文化として関心はありました。

今月28日の夜、楽しみです。

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2007年5月23日 (水)

書道展

長年書道をやっている友達のグループ展が銀座のデパートで開かれていたので、今日行ってきました。いろんな人の合同展だから、書体もいろいろです。

私は濃い墨色の楷書か仮名まじり草書が好きです。問題はすべてを読めないことですね(^^;)漢詩を読めないし、草書体を読めないなんてまるで文盲みたいです。それでも、墨色とか文字のイメージで印象が心に迫ってくるものがあります。だから書展は楽しいのです。

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2007年5月14日 (月)

鬼平犯科帳@新橋演舞場

新橋演舞場で昼の部だけ見てきた。

「鳴神」

染五郎の初役だそうだ。確かに若いね、線が細いというか。でも、丁寧に演じて好かったよ。

たまたま出掛ける前にTVで国立養成所を出た若い役者京純のドキュメントをやっていたのを見たので、彼が岩場からの落ちをうまくやってよかったと感じた

(^^;)

「鬼平犯科帳 - 大川の隠居」

勿論、鬼平は中村吉右衛門。

初めての歌舞伎化という。以前舞台を見たことがあるけど、あれは歌舞伎じゃなかった。場面転換で随分待たされたっけ。今回は転換はスムーズだった。

久栄は福助、ぴったりはまってた。同心に錦之助、粂八に歌昇。岸井左馬之助の富十郎がちょっと出た。昔の盗人で老船頭の友五郎に歌六、とってもよかったね。

娯楽作品として、とてもよく出来ていた。吉右衛門と歌六ががっぷり四つに組んで素晴らしい芝居を見せてくれた。泣いたよ。脚本も良いけど、新作にもかかわらず役者がしっかり身につけて演じていた。再演を重ねて歌舞伎の定番にして欲しいな。

「釣女」

大名を錦之助、太郎冠者を歌昇、上臈を芝雀だが、何といっても素晴らしいのは吉右衛門の醜女だろう。全然美しくはないが、お多福面のような人の好さを思わせる化粧が、見るものに安心感を与える。身のこなしも女形として違和感ないし、大名に「錦ちゃ~ん」と呼びかけるアドリブもしっかり笑わせてもらった。

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2007年5月12日 (土)

文楽「絵本太功記」@国立劇場

昨日、午前11時から夜の8時半まで、人形浄瑠璃の通し狂言「絵本太功記」を見てきました。

意外だったのは秀吉(久吉)が主役かと思っていたら、光秀の人形が一番の美丈夫で、どうやら明智光秀(武智光秀)が主人公だったことです。

そして、驚いたのは切腹した父親が、幼い姉弟に刀を持たせ、自分の首を切り落とさせる場面です。落とした首を敵方に差し出せば忠になり、ひいては孝になるのだと説得します。見ている気持ちとしてグロテスクですよね。

歌舞伎とか文楽って、結構孝や忠のために殺したり自害したりというのは数々あるし、それに絡んでの愁嘆場というのはいろいろあるんだけど、こういう幼い子供達に母親(木に縛られていて止められない)の目の前で父親殺しを父親自らが行わせる場面を長々演じるのを見るのは結構違和感がありました。

お芝居として単純にオヨヨと泣きの状況に入っていいのだろうかと迷いました。

子供の頃の私は時代劇を見ながら「江戸時代とは大昔に繋がる別世界」と感じていました。でも、大人になって、「江戸時代は今に繋がる近代なのだ」と感じるようになってから、江戸時代の人々の感情を身近に想像できるような気がしていたので、舞台を見ながら、江戸時代の観客はどんな気持ちでこの芝居を見ていたのだろうかと、そればかり考えていました。

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