歌舞伎と歌舞伎役者

2014年9月 2日 (火)

八月の歌舞伎

八月の歌舞伎座は夏休みバージョン。三部構成の納涼歌舞伎のうち、昼の部に行ってきた。「信州川中島合戦 輝虎配膳」、以前見たことがあったかどうか記憶にないが、橋之助演じる輝虎(将来の謙信だよね)が短気な男に描かれているのが意外だった。描く主体が変われば、人物評価も変わるということの典型だね。

もう一作の「たぬき」は、多分初めて見たと思う。大仏次郎原作の現代劇かと思ったら、服装は江戸の名残りがたっぷりあった。三津五郎演じる柏屋金兵衛は、コロリが流行っている頃に死んだとされて、葬儀の場面から始まる。簡易火葬場で焼かれる直前に生き返った金兵衛は、これ幸いと死んだふりのまま、愛妾と暮らそうと考えるが、妾にはもうすでに別の男がいた。失望した金兵衛は隠し金を懐に神奈川へ去り、そこでまた事業に成功する。江戸を訪ねた金兵衛は、昔の身内や知り合いが似ていると言いながらも本人とは見抜けないまま、虚しい気持ちに沈むが、幼い息子の「ちゃん」と言う呼びかけに、こころ引かれて戻っていく。

幼い息子役が勘九郎の息子の波野七緒八、父親に呼びかけた後、大人に手を引かれて、後ろを見ながら花道を引っ込む。幼いのに、よく出来るよね。でも、台詞は聞き取れなかった。いろいろ喋らせないで、呼びかけの一言だけにした方がよかったかも。

イギリスの若者を案内したので、イヤホンガイドも借りたし、3階の鯛焼きも初めて買って食べた。歌舞伎座を遊んだ感じだった。

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2014年5月27日 (火)

「伊達の十役」於明治座

本日千穐楽、その夜の部に行ってきた。

何故行ったか。染五郎がお気に入りなこと、彼の「伊達の十役」というのは、大きなチャレンジだろうから、どの程度か見ておきたいと思ったのかな。ちょっと前に海老蔵の「伊達の十役」をやっていたけれど、腰が上がらなかった。この違いは何だろう?(^^;)

まず声が枯れてる。これまで全力投球だったのかなと思う。赤松満祐の台詞まわしが何となく猿翁を思わせる。道哲は勘三郎風かな。ふむふむ。拍手がうるさくて、台詞が聞き取れないこと多々。舞台を見るというより、声援を送り、わいわい喜んでいる観客。早変わりは、そうと知って見ていても、おぉっと思ったりするものね。確かに楽しかった。

ご存じ伊達騒動の物語。累(かさね)という娘役に違和感がなかった。立ち役専門の人って、どうしても胴が固い感じだけれど、うまくこなしていた。そして、政岡。大切な役だよね。乳母として毅然としていなければならないし、我が子を目の前で殺されるのを見ながら耐える母親。良いんじゃない。子供の亡骸を抱いてかきくどく場面では、涙が出て、涙がレンズになったのか、染五郎の顔がくっきり見えたのにびっくりした。(^^;)

もっともっとこなして自分のものにして、猿翁みたいに、やっているのが楽しくて仕方がないみたいな舞台を見せてくれるといいな。演じている本人が楽しんでいると、観ているこちらも幸せな気分になれる。

最後「これにて今月は・・・」という挨拶があって驚いた。千秋楽の夜の舞台はこういう風に終わるのかぁ。更に幕が下りても拍手が続く。まさか歌舞伎でカーテンコール?好きじゃないなぁと思っていたら、本当に幕が開いた。エェッ!細川勝元姿の染五郎のみがご挨拶。花道の方にも出てきたが、抑えた挨拶の仕方は好感を持てた。そして、最後にエイッと手を振って、お客は満足しただろうな。これは明治座だからだろうか。

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2013年9月27日 (金)

新作「陰陽師~滝夜叉姫」@歌舞伎座

歌舞伎座新開場杮葺落 九月花形歌舞伎夜の部、新作「陰陽師~滝夜叉姫」の千穐楽公演を観た。

この作品が上演されると知って、必ず見たいと思った。一般のチケット販売初日にアクセスしたら、すでに完売だった。えっ? 仕方がない、幕見に並んで観ようと思っていたら、ネット上で譲って下さる方があって、幸い入手することが出来た。有難かったよ。それにしても、七月・八月の公演では空席があったから、びっくりだった。

でも、公演を観て、完売も宜(むべ)なるかなと感じた。あれだけの若手が勢揃いだもの。内容も良い。原作は私も読んでいる。コミックも映画も見て、安倍晴明ファンは多いと聞く。さらに新作ものにしては、本がよく練られていて、歌舞伎としての仕上がりが申し分なかった。

安倍晴明(染五郎)と源博雅(勘九郎)、平将門(海老蔵)と将門を誑かして天下を狙う興世王(おきよおう・愛之助)、将門の娘滝夜叉姫(菊之助)とその母で将門の愛妾桔梗(七之助)、そして藤原秀郷(俵藤太・松緑)といった面々が、千穐楽ということもあって誰もがなかなかの熱演だった。

平将門って関東では人気があるよね。さらに愛と怨念があるから、ヒーローとしての要件を充たしているし、四肢をバラバラにされたり首が飛んだりと、そのおどろおどろしさは歌舞伎にぴったり、海老蔵にぴったりだ。愛之助の悪も決まっていた。

陰陽師安倍晴明が大活躍とはいかないけれど、要所要所は抑えているから、大きな不満は生じない。染五郎はぴったりだと思うけど、もう少しキャラを尖らせてもいいかも。勘九郎の博雅の笛は、あれで美しいのかもしれないけれど、素人の私にも素晴らしいなと思わせる強烈な旋律が欲しかったなと篠笛大好きな私は感じてしまった。

ちょっとお遊びで「いつの日か」という言葉が遣われていた。TV「妻はくの一」の時の台詞だよね。これは私個人にはとても受けた。

最後の幕が下りても客席の拍手が続いた。あれ?もしかして?見てると緞帳が上がった。えぇっ!?歌舞伎座でカーテンコール?新作だからなのか、千穐楽だからなのかは知らない。居心地悪い思いで眺めていたら、ミュージカルの時みたいな大袈裟なパフォーマンスはなくて、主な役者たちが並んで軽く会釈してふたたび幕が下り、もう上がらなかった。熱演の良い舞台だったから、この程度ならいいかと思えた。

今回は久しぶりにカタログを買い、イヤホンガイドを用いた。新作だからカタログが欲しかった。イヤホンガイドは昔使ってみたら煩くて、舞台を楽しめなかったから近年ほとんど借りたことがなかったけれど、今回とても良かった。音声はちゃんと入っているのかしらと不安になるほど、演技中は沈黙。新しい場面や役者の登場に合わせた短い説明で、これはとても有効だった。カタログを読んでいたけれど、時間が過去に飛んだり、関東と都と舞台も変わるから、解説に助けられたかもしれない。このサービスは進化しているんだね。

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2013年9月25日 (水)

九月大歌舞伎午前の部@新橋演舞場

お目当ては「元禄忠臣蔵~御浜御殿綱豊卿」。以前梅玉で観て、すっかり梅玉ファンになってしまった。彼の綱豊卿は優美で知的で自制的なんだよね。今回も彼かと思っていたら、三津五郎で、彼の代演として橋之助になった。梅玉でないのなら行くほどもないかなと思っていたら、ネットで橋之助の綱豊卿が素敵とあったので、橋之助のファンでもある私は慌ててチケットをゲットして行ってきた。

ぎりぎりの購入だったけれど、結構良い席で、楽しむことが出来た。橋之助の綱豊卿は最初から声太く力強い。梅玉とはずいぶん違っていて驚きがあった。代演だから力が入っているのかな、台詞はしっかり入っているけれど、咀嚼する時間的余裕がなくて綱豊卿の表現が一本調子になってしまっているのかしら、なんて感じながら見ていた。でも、見ているうちに、こういう武ばった綱豊卿も有りかなという気分になってきたから面白いね。

次の出し物は「男女(めをと)道成寺」、橋之助と孝太郎との二人舞踊。橋之助が軽快に踊ると、つい引き込まれるんだけれど、女形の踊りはつい眠気を誘う。ごめんなさい。

眠気というと、最後の「天衣紛(くもにまごう)上野初花~河内山」はかなり舟を漕いじゃったよ。以前吉右衛門で見た時は笑えたんだけど、幸四郎は面白味というか軽さがなくて単調だった。台詞が聞き取りにくかったと言っているご婦人もいたっけ。

帰りに横川の釜飯を売ってる店があったので、久しぶりに買ってきちゃった。

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2013年8月 5日 (月)

歌舞伎座七月歌舞伎「四谷怪談」

やっと先月、7月になって新歌舞伎座に行ってきた。もう重鎮歌舞伎役者たちは出ていなくて、若手中心の歌舞伎だ。初日だが、ちょっと空席もあった。

夜の部「四谷怪談」、市川染五郎の民谷伊右衛門、尾上菊之助のお岩、尾上松緑の直助だった。お目当ては染五郎だったんだけれど、収穫は菊之助のお岩かな。初演の初日に見たってことは、今後の演技を見る基礎になるかなと感じた。

四谷怪談はいくつか見ているけれど、今回は伊藤家が娘に伊右衛門を婿取りしたくてお岩さんに毒をもるということがはっきりしていて、伊右衛門はお岩に心を残していたように描かれていたので、可愛いお岩さんがすっきり悲劇へ落ちていく。伊右衛門は醜くなったお岩さんから身を引いていく。菊之助の女形はとてもいいなと再認識した。将来がますます期待できる役者だね。でも、武士と町人の二役もやったんだけど、その演じ分けがはっきりしなかったと思う。姿と台詞でどちらの役かを理解しなくちゃならないの。立ち役の演技で区別がつくほどになるには、まだまだなのかな。若手歌舞伎だったからね。

そうそう、小山三さんが出てきた時は、びっくりして、とっても嬉しくなった。達者だよね。ずっと頑張って欲しい。

新歌舞伎座は、これから雨の降る日でも出入りが便利になるなと思う。地下鉄駅構内と接して広場があって、エスカレータで上がっても楽になるだろう。お店や庭園もちょっと見てきた。何度か通ううちに慣れてくるかな。座席はちょっとゆったりしてたけど、ちょっとだけ。字幕の読める画面貸出しは、隣の座席の人の迷惑にならないハイテクだった。でも、解説は期待倒れだね。解説を聞きたければ、やはりイアフォンガイドってことかしら。

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2013年4月 9日 (火)

歌舞伎座新開場に寄せて

五代目歌舞伎座、Ginza Kabukiza と呼ぶらしいが、賑々しくオープンして、きっと連日盛況なのだろうなぁ。 TVニュースなどで見ると、役者たちがやっぱりいつもよりずっと気を入れて演じているのが感じられる。こういう舞台を見てみたいとは思うものの、騒ぎの中に入って行くのが苦手だから、当分騒ぎが静まるまで様子見するつもりだ。

しばらく歌舞伎を見ていなかったが、先月末に国立劇場で「通し狂言 隅田川花御所染(すみだがわはなのごしょぞめ)」を見に行った。鶴屋南北の原作だから、それは入り乱れての情念ドラマ。中村福助が主役で、美しい姉姫が、許婚が死んだと聞いて剃髪してしまう。ところが、彼は妹姫の許婚を殺して成り代わり、妹姫と結ばれてお家のっとりを企む。実は自分の許婚とは知らぬまま、彼に心惹かれて落ちてゆく姉姫尼・・・。

それなりに良い舞台だったけれど、もっと怨念の中に切なさがあっても良かったんじゃないかなと思った。全体的な印象として、やっぱり若いなぁって感じだった。

そして、今月の舞台。TVであちこちのチャンネルがニュースやドキュメンタリーの中で舞台を案内しているが、若手が頑張っているんだね。中村勘九郎が、とても大きくなったように感じた。父親を失って、我が子を伴っての新舞台が彼を目に見えるほどに成長させたというのだろうか。

そのうち舞台を見に行けるのが楽しみになった。

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2012年4月20日 (金)

通し狂言「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」@国立劇場

久しぶりの歌舞伎に行ってきた。最近何故かお芝居に対する熱がさめかけてきていたのだが、片岡仁左衛門の悪二役というのに興味をそそられ、出掛けた。

三宅坂の国立劇場前では、淡いピンクのしだれ桜や白いリュウキュウバイが満開だった。

鶴屋南北作の「絵本合法衢」は、加賀前田藩を舞台にした、お家乗っ取りの陰謀と仇討ちの物語ということだが、仁左衛門が大名家身内でお家乗っ取りを狙う大学之助と、配下でそっくりな太平次という悪人を演じた。まぁ人は殺すは、女を襲うは、ものを盗るはと呆れるほどの悪人だが、仁左衛門だからか、端正な悪役が出来上がった。声も台詞も演技も申し分ない。良い舞台だった。でも、何かが足りない。考えて思った、まだ悪を愉しむ余裕がないのかな。もっともっと繰り返された彼の舞台を待ちたい思いだ。

左団次も時蔵も二役、後姿になって別の役者と入れ替わって出てくるとか、早替わりとか、ちょこちょこ見せ場もある。時蔵はいいね。演技に安定感がある。安心して見ていられるというのかな。驚いたのが、秀太郎だった。以前に比べるとすっかり福よかになっていて、若若しく、別人かと思ったほどだ。気風の良い好い女を演じていた。

楽しいお芝居の一日だった。

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2011年12月21日 (水)

元禄忠臣蔵@国立劇場

師走といえば「忠臣蔵」だよね。

ここ数年は、毎年12月14日に忠臣蔵を見に行っている。今年はと捜したら、国立劇場で、「元禄忠臣蔵」をやるというので、予約を入れていた。

入場するとすぐに45周年記念品として、江戸古地図をプレゼントされたんだけど、今回の上演中ずっと配られているものだと思ったら、なんと14日討ち入りの日の観客にのみ配られたそうだ。ラッキー!(^-^)V

何年か前に見た、梅玉の綱豊卿が素敵だった思いがあるけれど、今回彼は浅野内匠頭で、綱豊卿は吉右衛門だ。吉右衛門は大石蔵之助も演じた。

「江戸城の刃傷」「御浜御殿綱豊卿」そして「大石最後の一日」の三幕、江戸城での刃傷の場面はなく、梅玉演じる内匠頭の興奮と討ち損じた悔しさと、それでも損なわれることのない気品が示された。まぁ、斬りかかるところがなかったのはちょっと残念だけど、仕方ないかな。御浜御殿では、梅玉の艶とは違った、武士の綱豊卿だった。そして、最後の一日では、磯貝十郎左衛門(今回も中村錦之助)の秘めた恋、彼がやっぱりぴったりだろうね。

以前見た、細川家に残された赤穂浪士の遺品の中に、琴の爪ならぬ桜貝があって、それを懐に切腹した若い浪士がいたのは事実だから、胸に響くよね。

どこにどうというわけでもないけれど、目はうるうるになり、充たされた気分で劇場を後にすることが出来た。忠臣蔵っていいよね。

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2011年6月 6日 (月)

「六月大歌舞伎」@新橋演舞場

「頼朝の死」は真山青果原作なので、近世の歌舞伎。頼朝の三年忌の日、頼朝の息子で二代将軍を継いだ頼家(染五郎)は父が突然亡くなった理由が分からず悩みます。真相を知る三人、母政子(時蔵)と大江広元(歌昇)と重保(愛之助)に命じたり、怒鳴ったり、掻き口説いたりしても、三人は語りません。真実は、頼朝が妻の侍女で重保の許嫁小周防(孝太郎)に横恋慕して、夜忍び込んだのを、警備の重保がそれと知らずに斬ってしまったのだった。真相を隠すために重保に自害も許さず、頼家にも断固として探求させない政子と、二人の悩める若者。主題は現代的だよね。

「梶原平三誉石切」娘の婿が源氏に仕官するための金子を得ようと六郎太夫(歌六)が娘を伴って、鎌倉鶴岡八幡宮に参拝にきていた平氏方に名刀を買い上げてもらおうとする。刀を吟味することになった梶原平三(吉右衛門)は、平氏ではありながら、実は源氏に心寄せている。二つ胴という試し斬りをすることになったが、死罪人は一人しかいなかったので、どうしても用立てて欲しい六郎太夫は自らを一つ胴として身を提供した。梶原平三は死罪人だけを斬り、六郎太夫を救った。平氏の面々が去った後で、梶原平三は石の手水鉢を真っ二つに切って見せて、名刀を自らが買い取ると申し出た。

歌六はいつ見てもいいねぇ。人間二人の身体を重ねておいて刀を振るうと、上の一人分が真っ二つに分かれるとか、石が二つに分かれるとかというのは、いかにも舞台の見世物らしい趣向で楽しめた。吉右衛門もちゃんと台詞は入っていたよ。

最後に「連獅子」狂言師と親子の獅子を仁左衛門と孫の千之助が二人で初めて踊った。その初日だ。本人達も緊張しただろうが、観客も気が入ったね。「今日来て良かったね」と前の席の女性達が話していた。途中で錦之助と愛之助の狂言も入った。

楽しかった。どうやら私のお気に入りの役者が揃っていたからみたい。ここ半年くらい劇場に足が向かなかったのは、お芝居自体への熱が下がった訳ではなかったらしい。

最後にちょっと蒸し暑く感じた。外へ出るとひんやりしていたから、多分、連獅子にみんなが興奮したのかもしれないけど、もし節電のためにエアコン設定を上げていたのだとしたら、夏に向かって、役者達には酷な季節になることだろう。

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2011年3月 4日 (金)

三月大歌舞伎@新橋演舞場

ネット仲間の方から譲っていただいたチケットで観劇。染五郎と梅玉がお目当て。

『源氏物語 浮舟』吉右衛門の匂宮は、意外にも軽妙な色男がお似合いだったけど、台詞が充分入ってなくて、いかにも初日だなという感じ。菊之助の浮舟と染五郎の薫大将は美形同士でとっても素敵。時方という匂宮の付き人みたいな役に菊五郎だから、贅沢だね。昭和の作品だからか、台詞が現代劇っぽくて、歌舞伎というより新劇を見ているような違和感があった。

『水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)』これも明治もの。元士分だった筆屋幸兵衛は、貧して、乳飲み子と幼い妹娘と目の見えない姉娘を抱えて、借金取りの仕打ちに狂ってしまい、乳飲み子と共に川に身を投げるが、水天宮のご利益で二人とも命を拾い、姉娘も見える様になるという、今の時代に見ると、他愛ないストーリーだ。実際、最初の内は、誰が何故こんな演目を選んだのかしらと思いながら見ていた。でも、幸四郎の演技は抜群でした。貧と屈辱で狂っていく様が実と型をないまぜに見事に舞って表現されていて、あれだけで見る価値があると思えた。

『六世中村歌右衛門十年祭追善狂言 吉原雀』は梅玉と福助の踊り。もうあれから十年も経つんだねぇ。早いものだ。若い頃見た歌右衛門が、花道で踊っていた時、汗が飛び散るのを見た。鮮明な記憶です。

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